(2015.03.08)みずのそらで映画『鳥の道を越えて』上映会

tori

西荻のギャラリーみずのそらでドキュメンタリー映画『鳥の道を越えて』を観てきました。これは、現在開催中の駒ヶ嶺三彩さんの陶器と、映画の監督でもある今井友樹さんがつくった映像をあわせた「Txori 鳥」展にあわせて上映をしているものです。

この映画は、監督の今井さんが、祖父の語っていた野鳥猟について取材したものです。野鳥のカスミ網猟は、現在は鳥獣保護法により禁じられていますが、監督は古老たちの記憶をたどりながら、ほぼ失われたカスミ網猟の姿やその後の野鳥保護運動にいたるまで、感情に流されることなく丹念に取材しています。

冬の渡り鳥は標高約600メートル付近を飛ぶそうですが、その際に同標高程度の山の鞍部をこぞって通過していくという習性を利用し、その鞍部に網をかけることで野鳥を捕える、というのがカスミ網猟のおおまかな流れです。江戸時代には同様の方法の猟がすでにあって、年貢がわりにツグミなどを納めたというような記録も残っているそうです。その山の鞍部を「トヤ」といい、映画はこの「トヤ」を探すことから始まります。

古老たちの語るトヤ(鳥屋)、そしてほぼあとかたもなくなった現在の鳥屋場の姿などを追いかける映像を見ているうち、あれ、これと似たような体験をしているような……と思い至りました。

このトヤ、なんだか「暗渠」に似ているのです。今は忘れ去られ、古老がようやく思い出すことができるくらいのトヤの話、それを淡々とまとめあげていく監督の姿は、西荻案内所でもお世話になっている「暗渠者」の皆さんの姿とも重なりました。トヤに残されていた鳥の供養塔はまるで暗渠サイン、いや「トヤサイン」でしょう。いつか「トヤ者」と出会う日もあるかもしれません。

今後まず復活することはない「カスミ網猟」ですが、愛護でなく野鳥とともに生きた人たちがかつていたということに思いを馳せながら、一度でいいからツグミの糀漬を食べてみたいなどということも頭をよぎりつつ、善福寺公園の野鳥に金輪が付いているかどうか今度見てみようと新たな意識も芽生える、歴史民俗から環境保護まで広い範囲をカヴァーしているよい映画です。

ぎゃらりーみずのそらでは、15日15時から、この映画をもう一度上映するそうです。会場は限定20名ですので、興味のある方は予約をした方がいいかもしれませんね(1500円)。駒ヶ嶺さんの陶器作品(写真)もすてきです。おなじみ、寅印さんのお菓子もおいしいですよ〜

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