山形に行ってきた(1) 聖地に近づくその1

(これまで)骨董店・木土藍楽の渡部さん(ナベさん)の仕入に便乗しての山形行きが決定! まずは山寺へ参ります。(一つ前の投稿はこちら

快晴。朝4時に西荻を出発。ナベさんの車は快調に走り、午前中には山寺着、私たちはそこでいったん降りまして、ナベさんと別行動になります。

山寺といえば……泣く子も黙る山形県屈指の観光地!
山形なら絶対にここ! 山形県のおすすめ人気観光スポットランキングTOP20」というサイトの第1位が、この山寺。

観光地らしい観光地、というのは人も多いし、ふだんは避けることが多いのですが、幸い、朝早かったので人もまばら。いい時間帯に来ました。山の風が気持ちいいです。

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その前に、山寺のおさらい。
本当の名前は立石寺。通称の通り、山の中のお寺です。かの有名な「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の句を松尾芭蕉が詠んだ、その歴史1200年になろうかという由緒ある場所です。一番上の奥の院に行くまでに約1000段の階段があり、1段上がるごとに煩悩が消えていくのだといわれています。入り口階段上がってすぐが根本中堂。天台宗の本堂です。その横から階段が続き、奥の院は標高400mくらい。約1時間の登りとなります。

山寺はもちろんお寺なので、お墓があります。あの世とこの世の境界線。岩に直接掘られた石仏や、修行の場と思しき断崖や岩陰があり、亡き人を偲ぶ卒塔婆があちこちに立っています。根本中堂のとなりには日枝神社。このあたり、廃仏毀釈以前の宗教観が残っているのでしょうね。そのすぐ近くにある石のモニュメントは、こけし塚。木じゃなくって石でできたこけしというのにはかなりの違和感があります。後で調べたところによると、こけし作りに使った道具などを針供養みたいに供養するもののようです。

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杉の大木の間をぬって階段を上がり、仁王門を抜けたその先に奥之院大仏殿がありました。ここに、ムカサリ絵馬という村山地方独特の絵馬が奉納されているというのです。

若くして亡くなった子を持つ親が、その子が適齢期に達した時、嫁または婿をもらうという体で、結婚式が描かれた絵馬を奉納するのです。冥婚という風習です。立石寺のホームページを見ると、現在でも絵馬の奉納を受け付けていました。ということは、絵を描く専門の絵師も現役でいらっしゃるはず。いまどきのムカサリ絵馬師はPhotoshopとか使っているのかもしれませんね。奥之院と大仏殿の内壁面に、たくさんのムカサリ絵馬があり圧倒されました。お相手の絵は、実在の人物をモデルにはしてはいけないのだそうです。あの世に連れていかれるかもしれないから。撮影は憚られましたが、「ムカサリ絵馬」で検索するといろいろ見られます。ちなみにムカサリとは結婚のこと。「迎える」の語感でしょうか。

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それにしても驚いたのが、この奥之院の御本尊様。
寺のご本尊といえばふつう、大日如来、阿弥陀如来あたりと相場が決まっています。ところがこちらの本尊は、神社でもないのにまさかの! あやうく二拝二拍手一拝するところでした。実はご本尊はこの鏡の後ろにあるらしいです。かつての信仰がどのような形態を取っていたのかを推測することもでき、興味深かったです。昔ながらの信仰とムカサリ絵馬。人々の想いが凝縮した濃厚な空気が漂っているような気がして、なんとなく、あまり長くはいられませんでした。

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そこから降りて展望楼の五大堂でしばし休んだあと山を下り、ふもとの売店で玉こんにゃく。それとなくあった緊張感がゆるみます。

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ナベさんに連絡したら、「電車で山形市内に移動しててよ」とのことなのでJR山寺駅に向かいます。途中にあった山寺こけし店は残念ながらお休みでした。(つづく

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