44の手習い、はじめました(18.02.17)

西荻案内所・オクアキです。ふだんの仕事では紙モノのデザインなどをしています。たとえばイベントのフライヤー。既成のフォントを組み合わせれば、ぱぱっとつくれちゃうこともあるわけですが、特にメインのタイトルなんかでそういうふうにした場合、ほんとにこれでいいのかしらとどこか落ち着かない気分になることがあります。よくある「素材集」の写真やイラストを使うことにもつい躊躇してしまいがち。デザインなんてわかりやすけりゃそれでいいのですが、すでにある素材やそれっぽいものを組み合わせていくよりも、オリジナルなもの、人の手触りがあるもの、どこかひっかかりのあるものにあこがれてしまうんですよね。
それでメインの文字を描き文字にしてみたり(たとえば「西荻きのこ村」の題字。英文の方はフォントです)、わざと左手で文字を書いてみたり(自分の写真展「くるみちゃんの劇場」の題字は利き手でない左手で書きました)とか、タイトルまわりは特にあれこれ工夫するわけですが、筆字はむずかしいからあまりやりません。基本的な素養もないし、じっさい書いてみても狙いすぎでヤラシイ字になってしまいます。でも筆の字ってあこがれですよ。そんなわけで、もし近くによさげな書道教室を見つけたら通おうかなと思っていました。

それからしばらく時が経ち、ある日の瀬戸内海・大三島。こないだ、大三島にある伊予一の宮・大山祇(おおやまづみ)神社に行ってきたんです。続・西荻案内所のときの「御朱印の日」の影響かしら。大山祇神社といえばなんといっても一人角力(ひとりずもう)神事(←Youtubeに飛びます)。神と人の力くらべです。いつか見てみたい。そして歴史ある武器武具などを収蔵した国宝館も有名。国宝や国重要文化財に指定されている甲冑の約7割が、ここに収蔵されているそうです。その中には源頼朝や源義経が奉納したといわれているものも。

大山祇神社の拝殿

この日は平日だったからか、神社にはそれほど人も多くなく、私たちのほかにはほか1グループがいるくらい。凛とした空気が満ちていました。
驚いたのはそのグループの中に知っている方がいたのです。英米文学の研究・翻訳者で西荻にお住まいのAさん。ここでまさか西荻の人と出会おうとは! 大学の同僚の村上水軍研究者に同行して、瀬戸内海旅行をしているところだったのです。そんなことで境内で立ち話。そこでAさん、「善福寺の書道教室に通ってるのよ」という話をされたのでした。

神様好きながらも実はちっとも信心深くないのですが、こればかりはまさしく神の導き。乗らない手はないでしょう。その書道教室、場所を調べてみると家からほんの50メートルほどのところ。西荻に戻ったのち電話すると、ていねいで優しげな女性の先生が対応してくださいました。ご夫婦でやっている書道教室、篆刻の部もあります。いちど見学へいらっしゃいとのこと。それでさっそくおうかがいして、私がチラシなどを作っている関係であれこれあって書道に興味を持ったという話をざっくりしたら、「うちで教える書はアートじゃないのよ」とおっしゃる。こちらはアートを習いたいんじゃなくって、基本を知りたいんです、としっかりお伝えし、無事に入門がかないました。

まずは「一 二 十 土」と、小学一年生が習う漢字からのスタート。次は「大 木」。筆の使い方を知らねば墨はそのようには紙に染み込まぬ。いままで知らなかった筆の感覚。使っていなかった手や腕の動き。小さな発見の連続です。

「これから教えるのは8つの書き方ですよ」と先生は、目の前でサッサと書いてくださいました。これ知ってる! 永字八法でしょ。でも見るとやるとは大違い。まだ「4」までしか進んでいません。一週間に一度、紙と向き合う貴重で幸福な時間。これからも大切にしていきたいです。

なんてったって書道は東アジア人の特権。そこんとこ夜露死苦ってことで。

 

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