佐渡でピンクの象の紙はがし(18.05.13)

ふたたび佐渡へ

西荻窪の商店街アーケードにぶら下がっていたピンクの象。先代(二代目)が佐渡に渡ったというのは、これまでに何度かお伝えした通りです。昨年の西荻ラバーズフェスのころに電撃引退。その半年後の昨年9月に佐渡に移送し、12月の羽茂大市で佐渡のみなさんにお披露目され、今後について話し合うシンポジウムも行われました(過去記事へのリンクを上記につけてますので、合わせてお読みください)。

ピンクの象の引き取り手となった佐渡のブックフェス「ハロー!ブックス」実行委員長の田中さんからひさしぶりに連絡が来ました。今後の展開を考え、ひとまずピンクの象の紙をはがすことにしました、とのこと。これは行かねばなりますまい。

というわけで、車を仕立てて西荻から佐渡に向かいました。今回は映像作家の和久井幸一さんも同行。和久井さんは、昨年11月の続・西荻案内所のときにあわせて「ピンクの象 佐渡へ行く」という映像をつくってもらったことがあります。今回はその続きを撮ってもらう予定。(「ピンクの象、佐渡へ行く」は近日公開予定です。)

旅の経過の珍道中については、後日の文章に仕立てることとして、佐渡汽船フェリーで新潟から佐渡・両津港へ。5月のフェリーはおだやかでした。

 

準備

到着翌日、ピンクの象が保管されている南佐渡の旧川茂小学校(昨年のハロー!ブックス会場でもあります)へ。見ての通りきれいな学校ですが、すでに廃校です。地域の子どもは手前に停めてあるスクールバスで、近隣の学校へ通っているとのこと。

 

体育館の2Fにあいつはいました。

 

ハロー!ブックスの呼びかけで、川茂地区の子どもたちが集まってきています。象を2Fから1Fに移動させて準備完了。

正直、大丈夫だろうかという不安はありました。見た目それなりにぼろぼろだし、表面の張力でなんとか形を維持しているだけで、もしかしたら紙をはがしたとたんにバラバラと崩壊しちゃうかもしれない。針金や竹素材がビョーンと飛び出してきたりとかもあるかもしれない。

そもそも、かんたんにはがせるのだろうか。何年にもわたって重ね貼りされ、その上からピンク色で補修されたせいで、表面が分厚くなっているという話を聞いています。カッチカチに固まっていたとしたら、人の手ではがせるのだろうか。

開始時間まで1時間あるのでちょっと休憩。あれ、和久井さんどこ行ったんだろ、と思ったら、上の階からアコーディオンの音が。

音楽室に残されていたアコーディオンをひいていました。映像だけじゃなくって楽器もいける和久井さん。木のメガネ仲間でもあります。

いよいよ紙はがし

人も集まって、いよいよ紙はがしスタート! ここからは参加していたので、あまり写真なし。和久井さんが設置した定点カメラでどうぞ。(下のツイッター投稿より矢印クリック)

 

なんと、わずか8分ほどで紙がはがされてしまいました。始める前はちょっと湿らせてみようとか、対策を話し合っていたのですが。顔部分を残すために切り出している間に、他のパーツがほとんんどはがされ、撮影をする間もありませんでした。撮影したものを和久井さんが編集中なので、そちらを楽しみにしましょう。

さて、はがしながら、いろいろ発見がありました。

表面の紙はオークランドの多田さんが言っていた通り、電話帳でした。
耳の部分の補強部品として、針金ハンガーが使われていたのには驚きました。角のクリーニング屋さんが提供したのかしら。
何度も貼り重ねて、塗り重ねたということを聞いていましたが、紙を見た感じでは、塗りの層は二層程度であり、さほどの厚みもないように思います。

というわけで、あっというまに正体をあらわしました。

ある程度予想はしていたのですが、相当に手の込んだつくりものであることがわかります。誰かが「幼稚園児がつくった」的なことを言っていたのですが、これを見たらそんなことはもう誰も言わないでしょう。ゆるい表面とうらはらに、このような職人技が隠れていたとは。

 

竹細工の迫力

かっこいい! 張りもあって、想像以上にしっかりしています。ちょっとやそっとじゃ壊れなそうな堅牢なつくり。六つ目編みも美しい。
脚が1本かなり砕けていて、細金網で補修がされています。話によると、酔っぱらいが傘でつついたからだとか。それにしてもこの脚だけなぜ? 全体的にぐらぐらしているのはこの脚が原因。ここさえ直せればなんとかなりそう。
頭の方から内部を覗き込みます。角材が入っているという話でしたが、芯材は細身の竹で、角材が入っているのは釣り手のある背骨の部分だけでした。おしりのほうは円形の編み方になっていて大変美しいです。それが脚の方に至るフォルムのなめらかさ。最初にどこからつくっていったのか、素人にはさっぱりわかりません。
これもとっても驚きました。変に曲がったしっぽだなーと、前から思っていたのですが、中に入っていたのは曲がった木でした。製作者のおちゃめさが見え隠れ。

 

 

まわりも掃除してちょっと撮影タイム。アウラがすごい。
目の部分は切り取りいったん保存。今後ふたたび貼り直す時に、これを参考にするとのこと。
というわけで、体育館の元の場所に戻しました。運ぶときも崩れるような様子もなく、がっしりとして安心感がありました。また会う日まで。

今後の予定

さて、今後についてですが、佐渡のほうでいろいろプランをたてているようです。その中で、やはりこの竹細工としての美しさを見てもらいたいと、とりあえず何も貼らないままで、佐渡のイベントで出すつもりのようです。佐渡は竹細工が盛んな土地柄。どんな反応があるのか楽しみ。決まったらこのHPでもお知らせします。

〜お知らせ「西荻茶散歩」でピン象企画あり〜

西荻案内所では、捨てられるはずだったピンクの象(二代目)の保管をしたことをきっかけに、ピンクの象のこれまでの歴史、作り主のこと、そして竹細工の大きなつくりもの全般のことなども含め、いろいろと調べてきました。6月2日と3日の西荻茶散歩で、それらについての展示や、今回撮影した和久井さんの映像の上映、また3Dデータの公開などを行います。場所は松庵にある登録文化財建築「一欅庵」の洋間。展示後に最終的にはちょっとした冊子にまとめるつもり。またお知らせします。

 

おまけ

象の紙はがしも無事に終わってほっと一息。せめて1日はぜいたくをと、この日は温泉からのお寿司コース。いつもの羽茂温泉クアテルメじゃないところも行ってみたかったので、今回は初入浴となる畑野温泉・松泉閣へ。

佐渡の温泉は一般的に美肌の湯。こちらの畑野温泉も、ちょっとぬるりとした手ざわりで、顔もつるつるすべすべに。象に続いて一皮むけた気分です。

そして温泉の後はお楽しみのお寿司。といっても行くのは回転寿司。

「弁慶」は地物の素材を多く扱っていて、いつも地元の人で大混雑しています。写真を撮るのを忘れるほどに、食べまくりました。イワシやアジのような旬の魚がうまいのは当然ですが、中でも地物のカワハギでが最高でしたよ。(旅日記としてつづきます)

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