映画『聖者たちの食卓』(14.10.08)

ougon

今日から「西荻案内所日誌」がスタートします。
西荻についてのよしなしごとや、お気に入り、FacebookやTwitterでは書くのがめんどくさいことなどを書いていく予定です。
「日誌」なので、できれば毎日書きたいのですが、はたしてそんなことができるのかしら。

今朝はいつもより早く出かけ、新宿の小さな映画館に映画『聖者たちの食卓』を見に行きました。秋田ばるの七尾さんがFacebookでオススメしていたのに興味を持ったのです。
このドキュメンタリー映画はインドにあるシク教徒の寺院にある「無料食堂」についてのものです。この食堂は利用者が一日でなんと10万人!信徒や旅行者、身分に関係なくあらゆる人が使用を許されています。来た人はただ食べるだけではなく(もちろん食べるだけでもいいらしいですが)同時に、食器を洗い、配り、会場を整え、食材を切り刻み、煮込み、皿に盛る。長年のあいだに蓄積されたルールにのっとって、細分化された仕事が整然と進んでいくさまは、狂騒でありながらもどこか神聖なものでありました。
生産者と消費者というような、ふだん当然のものとしてある関係性が、この無料食堂ではとても曖昧になっています。作っている人、準備している人が食べる人でもあるわけです。英語のタイトルは『Himself He Cooks』、「神は自ら調理し、食べる」というような意味でしょうか。この尊い営みがかれこれ600年も続いているというのですから(日本だったら応仁の乱!)びっくりです。

……しかしこの光景、どこかで見たことあるよなあ。今年1月の井荻會館、「西荻観光手帖」の帳合大会です。のべで200人以上の人が本の帳合作業をしながら、おしゃべりをし、最後につくった本をみなさんが持ち帰ったのですが、あの不思議な一体感はまさしく、インドの寺院の無料食堂に通じるものでした。映画を見終わったあとはだいぶおなかが減りました(笑)。

そうそう、今日は皆既月食でしたね。みんなで同じ月を見ているというのも、こういう営みに通じるものがあるなあと思いました。月も無料食堂も、どちらも偉大だなあ。

さて、今日は11月の「西荻夕市」のちらしが届きました。11月8日の夕市のテーマは「カレー&ピクニック」。西荻はカレーの激戦区! ちらしはカレーMAPとしても使えますので、11月8日に限らず使える保存版です(カレー屋さんを全て網羅したわけではないのですが……)。
お腹が空いたら西荻へ! さすがに無料ではありませんけどね。

3 Thoughts to “映画『聖者たちの食卓』(14.10.08)

  1. […] 西荻案内所ではこのたび、10月10日と11日の西荻夕市特別企画としまして、映画『聖者たちの食卓』の、西荻カレー食事券つきの上映会を開催することとなりました。見たあとにカレーが食べたくなるこの映画、西荻で上映してそのあとカレー屋へ直行!という夢のプランを実現します。すばらしい映画です。ぜひ皆さんに見ていただきたく!!(西荻案内所による鑑賞記録はこちら) […]

  2. […] 私ども、西荻案内所の活動をするにあたり、奇跡のような瞬間に何度か立ち会いました。これは本映画の感想記事(こちら)にも書きましたが、何かを始めるとき、近隣の方々が少しずつ力を貸してくださったのです。さまざまな人がランガルのシステムを支えている光景は、規模は違えど、私たちが西荻で少なからず体験してきたことにどこか重なっています。 […]

  3. […] この映画のことは秋田ばる七尾の七尾さんに教えてもらったと、こちらの記事に書いてありました。 […]

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