西荻案内所旅日記(1)苗村神社(滋賀県竜王町)三十三年式年大祭へ

ちょっと西荻を離れ、旅してきました。
滋賀から大阪へ、そこから鳥取までの大移動。滋賀では貴重な村祭りの見学、大阪では維新派の公演を拝見する予定です。鳥取には案内所メンバーでもあるチャンキー松本さんといぬんこさんがアーティスト・イン・レジデンスで滞在中。その会場である大山町逢坂地区の古民家「まぶや」を訪れる計画です。

琵琶湖の南、竜王町の苗村(なむら)神社は、近江八幡駅からバスで約20分のところにありました。周囲はひたすら平らな田園風景。新幹線で滋賀を通る時、だだっぴろい田んぼが見えますよね。あのあたりです。
でも田舎の神社と侮るなかれ。西本殿は国宝、茅葺きの楼門をはじめとして重要文化財を多数抱える由緒ある神社です。ここで今年行われるのが数えで33年に1度の式年大祭。1599年から始まり、約400年にわずか13回。一人が一生で参加できるのはせいぜい3回という脅威のロングスパンです。初回が10歳だったとすると二回目は42歳。三回目は74歳。その次は106歳だからかなりキビしい。そうなってくると伝統の継承も並大抵じゃないです。

そもそもこの神社に行くことになったきっかけは、母の「ルーツ探し」にありました。先祖が「近江蒲生郡綾戸村苗村大明神社従小野家出者也」であることがわかったのです。その後、苗村神社を訪ね、宮司が今も「小野」姓であることや、「三十三年式年大祭」のことを聞き、10年越しの祭見物につきあうこととなりました。

鉄道とバスを乗り継いでやってきた苗村神社。楼門の周囲には山車が陣取っていました。

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山車は氏子各地域がそれぞれ受け持ち管理しています。それぞれ龍・紅葉狩・白鷺などのモチーフがあり、中には文楽芝居をする山車も。

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山車の文楽が始まった時、装束のちびっ子が興味深げに眺めていました。このお祭りは、私どものような観光客よりも圧倒的に参加する人のほうが多く、やる人が同時に見る人でもあります。お互いに楽しみあうのが「祭り」の本質なのですね。

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2日目は1000人参加の大行列。祭りへの緊張感というよりも和気あいあいとした空気が流れています。祭りの参加は初めてでなくても、年齢に応じた初めての持ち場を担当するわけで、全員が手探り状態なのです。ちょっとの失敗なら水に流してくれそうなほのぼのとした雰囲気に包まれています。

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順番待ちの稚児はDSに夢中。

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行列がスタートしました。広大な田んぼをつっきるアスファルトの一本道。馬に乗った稚児を先頭に、周囲三十三神社の神が宿る榊が。強風のなかを御旅所へ向かいます。

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稚児は御旅所での演舞披露のために体力温存? 脱力のベビーカー行列はいにしえの時代には見られなかった光景。

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にぎやかなお囃子をだだっぴろい田園に響かせながら、山車が通り過ぎて行きました。長い長い行列のずっと遠くまで、さえぎるものはありません。一行が向かった御旅所では、さまざまな出し物が披露されたそうです。
町の人がお互いに顔を合わせ、手探りの中から33年ぶりに再び息をふきこむ作業を経たこのお祭りは、素朴ながらもよそ者が立ち入ることのできない崇高さを感じました。(つづく

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