こけしの魅力と魔力

先日のチャサンポーで行われたKOKESHIEN!の「西荻こけし案内所」、大量のこけしに圧倒されながらあっという間の2日間。こけしEXPOも、あとは「イトチ館」の展示を残すのみとなっています。

こけしに魅了された多くの方が案内所に出入りするのを見ているうち、こけしの魅力(あるいは魔力)とはいったいなんなのだろうと考えていました。

産地の名前が冠された伝統こけしの11系統は、お互い影響しあったり、工人さんが行き来することによって複雑化しながら、各々の特色を醸成しています。工人さんによっても顔つきなどが違い、体系的でありながら多くのバリエーションがあることが魅力の一つなんだろうなあと思います。

この11の産地はいずれも東北の温泉地であり、こけしはそもそも温泉地の土産物でした。山間地なので木材の調達が容易だったのでしょう。さて、こけし11系統の分布を地図で見ると、すべての系統がそうとは限らないのですが、温泉地とのつながりが深いゆえに、火山ともつながっているように感じます。蔵王連峰の東西には、作並・蔵王高湯・山形・遠刈田・弥治郎と5系統があり、こけし密集地帯となっています。

蔵王といえば、火山性微動が起きていることで最近注目を集めています。こけし―温泉―火山。伝統こけしはどこかで大地とつながっている。その静かな迫力が、物言わぬこけしの存在感と魅力(あるいは魔力)の本当の秘密のような気がしています。

さてここで、案内所メンバー、いぬんこさんがウレシカ館の「えかきのこけし」展で展示したこけしをみてみましょう。

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題して山と大地よ、おねむりこけし」。地震や噴火の多い昨今の日本。鯰絵の上に置かれたこけしは、UFOをまといながら静かに目を閉じています。いぬんこさんいわく「自分のために描いたつもり」。モチーフのシリアスさをユーモアとかわいらしさでカバーしながら、それでいて漂う妖気。伝統こけしとはかけ離れた彩色ながら、伝統こけしが宿命的にまとう大地とのつながりを、アーティストの直感が正確に捉えている。そんな気がしてなりません。

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