アートイベント「dislocate」シンポジウム「価値の創造と差異の共有」

logo5西荻〜善福寺界隈で行われているアートイベント「dislocate」のシンポジウム2日目に、西荻案内所として出席することになりました。どんなお話ができるのかわかりませんが、どちらかというとみなさんのお話を聞ければと思っています。

▽▽▽以下主催者HPより▽▽▽
決められた制度や経済システムの中で、どこまで新しい価値観が作れるでしょうか?画一的な価値観を前提にし、無言のプレッシャーが存在する日本社会で、どのように異なる視点を作り出し、共有することができるでしょうか?私たち個人の選択によって、どのように社会を変えていくことができるでしょうか?家族制度、地域経済、高齢化社会、自然環境、国際化等。。。ある街の課題を通して、地域・街において個人の創造力の可能性を検証します。社会的通貨や個人の主体性に注目して、市民も価値を作り出すことができるのだという意識と、グローバル&ローカルな社会システムとの繋がりを考え直しましょう。

この2日間に渡るシンポジウムではできるだけ多くの方々と様々な尺度で市民と行政の関係性を考察し、アートのレンズを通してオルタナティブな課題解決を一緒に考えたいと思います。善福寺と西荻窪で活動する人々、国際的に活躍するアーティスト、キュレーター、弁護士、社会学者、社会活動家の各領域の専門家の視点を学びつつ、コミュニティやパブリックスペースの自治についてディスカッションします。

11月1日(土)・2日(日)11:00-17:00 @タスカフェ(東京都杉並区西荻北3-1-9 山屋ビル3階)参加費: 500円(1日)

ゲスト: 
1日目 Jay Koh, Art Lab Ova, Prayas Abhinav, 三浦展
2日目 西荻案内所, Lawrence Liang, 明日の自由を守る若手弁護士の会+その他

お申し込方法: 「シンポジウム申込み」の件名でメールにてお申し込みください。info@dis-locate.net

http://dis-locate.net/0/lens_portfolio/symposium/

西荻案内所旅日記(2)近江八幡〜台風の大阪へ

そもそも苗村神社の式年大祭を見る旅だったのですが、神社のある竜王町には宿泊施設がなく、近隣の近江八幡駅近くのビジネスホテルに泊まっていました。
近江八幡といえば観光地!……と思っていたのですが、駅周辺はまったくそういう雰囲気がありません。南口はどどーんと広大なイオンモール。駅近くもいわゆる郊外型のロードサイドで、日本のどこにでもある金太郎飴な店ばかりが並んでいます。

駅近くでどこかほっとできるごはん屋さんはないものか。ちょっとガイド本やグルメサイトを見てみたら、オリジナルな店はどこも「近江牛」推し。この辺りが本場ですから力がはいるのも当然ですが、移動続きだったので牛肉をがっつりというのはちょっと……。どこにでもあるチェーン店もしくは高級牛肉……。振り幅の大きさに攻めあぐねました。
それでふらふらとさまよっていたらようやく見つけたこのお店。
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駅からすぐの「みつわ」。テレビが流れているようなケの定食屋です。ただやっぱり地の物も少しチャレンジしたいというのでお願いしたのがモロコ。琵琶湖の小魚です。ごはんは新米で美味だったし、本当にほっと一息つくことができました。
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さて近江八幡市街は駅から少し離れています。そちらは歴史ある建造物も多く、市名の由来ともなっている日牟禮(ひむれ)八幡宮を中心に、観光地としてかなり整備されています。
まず向かったのはホテルで入手したチラシの中でもとても気になった「ボーダーレス・アート・ミュージアムNO-MA」。歴史ある古民家を美術館に改装。建物も素敵だけどコンセプトもとても魅力があります。ものをつくるエネルギーそのものを「アート」として提示しているという印象を受けました。それはただ美しく手触りのさわやかな、かつカネの匂いのする「アートと呼ばれるもの」よりずっと上位にあって、アートが本来持つ、既成概念の破壊や新たな視野の獲得というものが、力強く肯定されているのです。
この日にやっていた展示は「快走老人録2 老ヒテマスマス過激ニナル」。
おもしろい案山子作品や、ベートーベンの「運命」に合わせて実母をもてあそぶ老芸術家のビデオアート(?)、蒐集狂のコレクション展示など。人生楽しく突き進みたいものです。
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展示コレクションの一部です。「数字」「うなぎ」「家紋」とはなんぞや?
そのうちの一つ「数字」を開いてみると、
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全て「萬」の字が入った店名の箸袋! このスクラップブックは各ジャンルに分類された箸袋のコレクションなのです。背表紙だけでもう圧倒されました。

さて、そこから少し歩くと、ヴォーリズが住んだ家がありました。ヴォーリズは、アメリカ生まれの実業家で建築家。近江八幡に暮らし、キリスト教の伝道活動や、教育普及、はたまたメンソレータム製造販売まで、とっても多彩な活動をしました。
西荻で例えると、内田秀五郎とアントニン・レーモンドを足して2で割ったような人物、と言えば、ごく一部の人にはその偉大さがなんとなくわかりそうな気がします……いやむしろ混乱させたかしら……近江八幡にはそのヴォーリズがつくった家が多数残っており、折しも没後50年ということで、街を上げての「ヴォーリズ・メモリアル」というイベントをやっている最中でした。
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近江兄弟社学園内にある教育会館とハイド記念館(いずれも登録文化財)にも入ることができました。ここでは全国に散らばるヴォーリズ建築のパネル展示など。われらが西荻の東京女子大学もそうですが、歴史ある建物が身近にある教育環境は本当にうらやましいですね。耐震だのなんだのと理由をつけて壊すのはあっという間。つぶしたものはもう二度と取り戻すことはできないのですから、これからも大事にしてほしいです。

近江八幡ではもちろん観光案内所にも行きました。案内される側になってみると、いろいろと勉強できますね。この時は案内の方に「どこのでっち羊羹が美味しいですか」という、少々いじわるな質問をしてみました。でっち羊羹というのは、竹皮に包まれた素朴な羊羹で、近江八幡の名物です。案内の方はしばし考えたのちに、あまり大きくない声で「◯◯が有名ですし、お店も近いですよ……でも地元ですと□□の羊羹を買いますかねえ」。立場上、優劣はつけられないのでしょうが、案内される側としては、御仕着せの情報ではなく、リアルな声が聞けるのがやはりうれしいのだなあと身を持って感じました。

さて、スーパー平和堂で赤こんにゃくと丁字麩も買ったし、翌日は一路大阪へ。近江八幡駅前のチケットショップで切符を買うと、駅で買うより少し安くなるのです。それで受け取った切符にびっくり。
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近江八幡→栗東、栗東→京都、京都→大阪の3枚組。西村京太郎トラベルミステリーばりのパズルです。これのほうが安いと発見した人もヒマというかなんというか。
大阪では10年ぶりの維新派大阪公演『透視図』を見に行くことにしていました。実は前回2004年の大阪公演『キートン』も見ています。ただ折しも「最大級」とウワサの高い台風19号が接近中、JR西日本がはやばや「16時以降全線運転中止」のアナウンスを出しているという事実上の非常事態。この日の公演は中止となってしまいました。野外公演ですから仕方ありません。大阪駅の改札前には台風報道のレポーターがずらりと整列していました。ともかく大阪まで来れてよかったです。
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大阪ではチャンキー松本さんに書いてもらった「おすすメモ」を頼りにしました。お好み焼きは「白兎」か「美舟」とのこと。「美舟」は大阪駅からほど近い! ランチはここに行ってみます。近江八幡でもそうでしたが、ガイドブックでない生声の案内(メモですが)があるのは本当にありがたいです。ガイドブックやネットではなく、知っている人、地元の人のオススメ、つまり口コミが一番信頼性の高い情報なのですから。
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というわけで「美舟」。想像以上に味わいのある店構え。お好み焼とチャンキーさんオススメの焼きそばを注文します。大阪のお好み焼きはまずはタネを自分でかき混ぜるんですね。これが容器からこぼれそうになって難しい。モタモタ混ぜてたらお店のおばちゃんに無言で取り上げられてしまいました。
常連のサラリーマンやカップルが小さな座席にぎゅうぎゅうになってお好み焼や焼きそばを食べている。迫力がある風景です。私どもは見るからに「観光客」なのでやさしくしていただいた感じでした。お好み焼も太麺の焼きそばもおいしかったです。

その後は宿に早めに到着。風もどんどん強くなり、夕食はホテル近くにあるコメダのテイクアウト。旅先で台風ニュースを見ながらの味噌カツサンドも美味でした。(つづく)

西荻案内所旅日記(1)苗村神社(滋賀県竜王町)三十三年式年大祭へ

ちょっと西荻を離れ、旅してきました。
滋賀から大阪へ、そこから鳥取までの大移動。滋賀では貴重な村祭りの見学、大阪では維新派の公演を拝見する予定です。鳥取には案内所メンバーでもあるチャンキー松本さんといぬんこさんがアーティスト・イン・レジデンスで滞在中。その会場である大山町逢坂地区の古民家「まぶや」を訪れる計画です。

琵琶湖の南、竜王町の苗村(なむら)神社は、近江八幡駅からバスで約20分のところにありました。周囲はひたすら平らな田園風景。新幹線で滋賀を通る時、だだっぴろい田んぼが見えますよね。あのあたりです。
でも田舎の神社と侮るなかれ。西本殿は国宝、茅葺きの楼門をはじめとして重要文化財を多数抱える由緒ある神社です。ここで今年行われるのが数えで33年に1度の式年大祭。1599年から始まり、約400年にわずか13回。一人が一生で参加できるのはせいぜい3回という脅威のロングスパンです。初回が10歳だったとすると二回目は42歳。三回目は74歳。その次は106歳だからかなりキビしい。そうなってくると伝統の継承も並大抵じゃないです。

そもそもこの神社に行くことになったきっかけは、母の「ルーツ探し」にありました。先祖が「近江蒲生郡綾戸村苗村大明神社従小野家出者也」であることがわかったのです。その後、苗村神社を訪ね、宮司が今も「小野」姓であることや、「三十三年式年大祭」のことを聞き、10年越しの祭見物につきあうこととなりました。

鉄道とバスを乗り継いでやってきた苗村神社。楼門の周囲には山車が陣取っていました。

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山車は氏子各地域がそれぞれ受け持ち管理しています。それぞれ龍・紅葉狩・白鷺などのモチーフがあり、中には文楽芝居をする山車も。

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山車の文楽が始まった時、装束のちびっ子が興味深げに眺めていました。このお祭りは、私どものような観光客よりも圧倒的に参加する人のほうが多く、やる人が同時に見る人でもあります。お互いに楽しみあうのが「祭り」の本質なのですね。

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2日目は1000人参加の大行列。祭りへの緊張感というよりも和気あいあいとした空気が流れています。祭りの参加は初めてでなくても、年齢に応じた初めての持ち場を担当するわけで、全員が手探り状態なのです。ちょっとの失敗なら水に流してくれそうなほのぼのとした雰囲気に包まれています。

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順番待ちの稚児はDSに夢中。

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行列がスタートしました。広大な田んぼをつっきるアスファルトの一本道。馬に乗った稚児を先頭に、周囲三十三神社の神が宿る榊が。強風のなかを御旅所へ向かいます。

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稚児は御旅所での演舞披露のために体力温存? 脱力のベビーカー行列はいにしえの時代には見られなかった光景。

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にぎやかなお囃子をだだっぴろい田園に響かせながら、山車が通り過ぎて行きました。長い長い行列のずっと遠くまで、さえぎるものはありません。一行が向かった御旅所では、さまざまな出し物が披露されたそうです。
町の人がお互いに顔を合わせ、手探りの中から33年ぶりに再び息をふきこむ作業を経たこのお祭りは、素朴ながらもよそ者が立ち入ることのできない崇高さを感じました。(つづく)

(2014.10.18)「0円均一」はじめました。

このたび西荻案内所では、「0円均一」をはじめました。

ナンノコッチャとお思いの方に説明しますと、西荻在住の人ならみなさんご存知、「ご自由にお持ち下さい」のことです。
よくお家の玄関前に不要品を並べ、「ご自由にお持ち帰り下さい」としてあるのを見たことがあるかと思います。西荻は昔のものを大事にする、古道具・アンティークの町。家庭などで出た不要品も、必要だと思った人が再び使うことになれば、モノもヒトも幸せではありませんか。

「0円均一」は、アーティストの高島亮三さんが始めたアイデアです。11月に善福寺〜西荻で開催されるアートイベント「アートドロップス」の事務局の方から段ボール箱をいただき、さっそく不要な食器などを入れてみました。ちなみに11月8日は桃四コミュニティ・スクール校庭で、29日はゆうゆう善福寺館で、「0円均一 善福寺商店街」が「アートドロップス」の一環で開催されるとのこと。

詳細リンク
アートドロップス
0円均一

なお、不要品の引取や、「代わりに置いてほしい」等の受付はしておりませんので持ち込みご遠慮下さいませ。

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(2014.10.09)出張!モンガ堂の準備

11日と12日の西荻案内所は「出張!モンガ堂」。青梅街道の古書西荻モンガ堂さんがやってきます。
私どももちょっとだけ本を売りに出すことにしました。自分で値付けするのは難しいですね。
正直、お買い得なのかボッタクリなのか、自分でもよくわかりませんが、売れ残ったものを持って帰るのはしんどいので、安めに設定したつもり。
モンガさんに託しておきます。

11と12日はご承知の通り「ドンと行こうぜ!ホンダラ大作戦」。西荻じゅうで骨董市と古書市が展開します。
西荻案内所はメインストリートからちょっと外れているのですが、お立ち寄りいただけましたら幸いです。

ちょっと、いやかなり心配なのは台風19号の動きです。
前回のホンダラ(今年の2月)は記録的な大雪の翌日。
今回は目を疑う超低気圧900ヘクトパスカル……。
まあこればっかりは神のみぞ知るということで。

出張!モンガ堂(10月11・12日)

2014年10月11・12日、西荻では「ドンと行こうぜ!ホンダラ大作戦」という名前の骨董・古書イベントが開催されます。
そのタイミングに合わせて西荻案内所では、青梅街道にある「古書西荻モンガ堂」さんが出張してくることになりました。
古本探しで西荻案内所に来た方にはほぼご案内している「西荻モンガ堂」さんですが、はたして何割の人があそこまで行ったのかしら……。
でもこの2日間は、なんと西荻案内所にやってきます。駅から2分でモンガ堂!
……このチャンスをお見逃しなく!

なお、通常の案内業務等については担当者不在のためお休みとなります。

「出張!モンガ堂」
会場:西荻案内所 (西荻窪駅・北口から徒歩2分くらい)
期日:2014年10月11日(土)12(日)
時間:11:00~17:00

*12日(日)は、天候の状況によって早めに閉店することもあります。

参加店:西荻モンガ堂、M&M書店、幻影文庫(11日のみ)、他

ちなみにモンガ堂さんはなぜかグッズ展開に力が入っていて、
テーマソングまであります。古本屋なのに……。

(2014.10.08)映画『聖者たちの食卓』

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今日から「西荻案内所日誌」がスタートします。
西荻についてのよしなしごとや、お気に入り、FacebookやTwitterでは書くのがめんどくさいことなどを書いていく予定です。
「日誌」なので、できれば毎日書きたいのですが、はたしてそんなことができるのかしら。

今朝はいつもより早く出かけ、新宿の小さな映画館に映画『聖者たちの食卓』を見に行きました。秋田ばるの七尾さんがFacebookでオススメしていたのに興味を持ったのです。
このドキュメンタリー映画はインドにあるシク教徒の寺院にある「無料食堂」についてのものです。この食堂は利用者が一日でなんと10万人!信徒や旅行者、身分に関係なくあらゆる人が使用を許されています。来た人はただ食べるだけではなく(もちろん食べるだけでもいいらしいですが)同時に、食器を洗い、配り、会場を整え、食材を切り刻み、煮込み、皿に盛る。長年のあいだに蓄積されたルールにのっとって、細分化された仕事が整然と進んでいくさまは、狂騒でありながらもどこか神聖なものでありました。
生産者と消費者というような、ふだん当然のものとしてある関係性が、この無料食堂ではとても曖昧になっています。作っている人、準備している人が食べる人でもあるわけです。英語のタイトルは『Himself He Cooks』、「神は自ら調理し、食べる」というような意味でしょうか。この尊い営みがかれこれ600年も続いているというのですから(日本だったら応仁の乱!)びっくりです。

……しかしこの光景、どこかで見たことあるよなあ。今年1月の井荻會館、「西荻観光手帖」の帳合大会です。のべで200人以上の人が本の帳合作業をしながら、おしゃべりをし、最後につくった本をみなさんが持ち帰ったのですが、あの不思議な一体感はまさしく、インドの寺院の無料食堂に通じるものでした。映画を見終わったあとはだいぶおなかが減りました(笑)。

そうそう、今日は皆既月食でしたね。みんなで同じ月を見ているというのも、こういう営みに通じるものがあるなあと思いました。月も無料食堂も、どちらも偉大だなあ。

さて、今日は11月の「西荻夕市」のちらしが届きました。11月8日の夕市のテーマは「カレー&ピクニック」。西荻はカレーの激戦区! ちらしはカレーMAPとしても使えますので、11月8日に限らず使える保存版です(カレー屋さんを全て網羅したわけではないのですが……)。
お腹が空いたら西荻へ! さすがに無料ではありませんけどね。