【西荻妄想プロジェクト】西荻臨書のすすめ

「街フォント」のこと

3ヶ月ほど前に書道を始めて以降、あちこちの手書き文字がますます目に入るようになってきました。もともと、街角にある様々な書体や手描きの文字が気にはなってました。「あそこのマンションの文字、レトロでかわいい!」とか、「あの服屋のロゴ、デコりすぎ!」とかね。印刷デザイン仕事ですから、書体とは縁深いわけで、街角文字は路上観察の楽しみのひとつ。こういう愛らしい文字たちを集めてなにかしたいなって思ってたんだけど、それをやっている人、実はもういます。

街フォント/ミリメーター

その街にある看板などの文字を集めてフォントを作るというプロジェクト。004番は西荻窪だったりします。
以前に西荻で「街フォント」のワークショップが開催されたことがあって、それが今もウェブ上で投稿継続中。

ほかの人がもうやってることをやってもしょうがない。しかもここ最近気になってるのは、レタリングの文字じゃなくって、筆やペンで書かれたような文字のほう。どんなふうに書いたのか、その筆の動きを想像してしまう。そこでですよ、書かれた文字に実際に向き合ってみるってのもありなんじゃないかって思ったわけです。ただコレクションするだけでなくってクリエイションもしてしまおうというわけ。

 

そこで「西荻臨書」

書道には「臨書」というのがあります。文字がうまくなるために手本を見て書くこと。わたしのような初心者だったらまずは、先生が書いたお手本をよく観察して真似して書く作業になります。でも一般的に臨書とは、いわゆる「古典」とされるものを参照します。例えば王羲之とか欧陽詢とか褚遂良など、主には中国の書家の作品です。その人たちがどんなふうに書いたのか、その筆づかいから呼吸を探り、寄り添うことでその人の思想に迫っていくのです。

つまりこれを応用して、街にあふれる手書きの文字を「臨書」していったら、その街の秘密に一歩近づけるんじゃないか。手本は街中にころがっている。思い立ったらひとまず自分でやってみようと、よく通る道からテキトーに「手本」を探して書いてみました。

見本1「根本荘」

「根本荘」というアパートの看板。やや扁平で右上がりで淀みのない線に軽快さを感じさせながら、力強い印象もありますね。すがすがしい字です。

「荘」は割愛。「本」の縦線が歪み、バランスが崩れてしまいました。根の方はまあまあですが、線の強弱のコントロールがまだできていないのがよくわかります。「本」の右払いは払いきらない印象ですが、いくらなんでも止めすぎ。手本はもっといきおいがあって、この看板を書いた時に気持ちよく書いたんだろうなあ。

 

見本2「西荻窪」

次のお題は「ベルハイム西荻窪」。ちょっと普通ではないですね。西・荻の一画目の横線の極端な太さ。荻の字のどっしり感。「火」の最後が反り返っているのもおもしろいです。いきなり難しい課題ですが。

こちらも「窪」は難しいので割愛。「西」の一画目と最終画、勘亭流のような歪み方。手本の強弱のメリハリの強さ。それに比べて全体的にぼってりした印象に。無為に書いたように見えて、書く前にかなり作戦を練ってから書いたのだなあと感じました。

次の課題はこちら。手しごと市の会場でおなじみの「井荻會館」。軽やかな隷書体で、格調高さがありながら、どこか可愛さもありつつ、そのなかで「井」の三画目の縦線の左曲がりの力強さ。

……これ、書いてみたんですけど、めっちゃむずかしかったです。とても人には見せられない。。。よく考えたらまだ楷書の基礎だけで、隷書は習ってないんだった。こんなふうなのがいつかサラサラ書けるようになりたい……。

というわけで、書道(というか習字)三ヶ月の実力は所詮この程度。もっとうまい人の「西荻臨書」が見たい!
だれかやらんかな〜。instagramのハッシュタグ「#西荻臨書」でお待ちしてます。もちろん西荻に限らず、西八王子臨書でも、今治臨書でも、津田沼臨書でもOK。街を「臨書」するブームとか……まあ起きないわな。

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