2月8日(日)、「龜樂展」のラストを飾るライブが西荻案内所で開催されました。
冒頭は龜樂四代目西尾賢氏による自家製法螺貝による法螺吹からスタート。「龜樂」の解説(捏造)や由来裏話(捏造伝統芸にいたるまでの実話)などを交えながら、樂妓の豆奴さんの合いの手とともに「バリゴ節」などを披露しました。ゲストのひょうたんたけしさんによる、循環呼吸奏法を使ったひょうたん笛の悠久の音色に酔いしれながら、三ツ矢酒店で仕入れた日本酒「神亀」のペースもあがります。
チャンキー松本さんは秘芸の歌「おやかたさま」で盛り上げます。この歌は「降霊術」のようなものでして、「おやかたさま」なるなにものかを呼び寄せるという内容。
チャンキーさんの衣裳は四国巡礼の白装束。ご承知の通り、西荻案内所は中が丸見えのガラス張りですので、この時間帯に外を通りかかった方は、さぞや驚かれたのではないかと思います。いくらなんでもあやしすぎる(笑)。別の会場で「おやかたさま」を演じた時、いぬんこさんが金縛りにあったことがあるといういわくつきの歌です。撮った写真になにかが写っているのではとひやひやしました。「西荻窪駅から小高商店の角を曲がって、「おやかたさま」が西荻案内所にやって来た」というくだりでは、背筋がぞくっとしました。
〆は「おきんたま踊り」。「五穀豊穣、天下泰平、おきんたまゆらせ」の掛け声ののち会場全員で一本締め。
この世に「本物」を称するハッタリ野郎のいかに多いことか。捏造伝統芸は自ら「捏造」を宣言していながら、まごうことなき本物の芸。それぞれの方のバックボーンに裏打ちされた即興力と、その場を全力で楽しみ楽しませるプロフェッショナルの魂を感じ、まさに「伝説のライブ」となりました。「龜樂展」も、今後の案内所の活動になにか反映できそうな、示唆にあふれたものでした。
ところで、この会場にかけつけることのできなかったいぬんこさんが後日、案内所での「おやかたさま」の写真を見て、「……今回のはライトなやつやな」とおっしゃったのには驚愕しました。ライトじゃない「おやかたさま」とはいったい……。
幻のCD「龜樂大全」は案内所で販売中。残り4枚(2月16日現在)です。
限定でつくった茶舗あすかさんの熟成釜煎りの特上茶「龜茶」(亀成分は入ってません。念のため)もまだございます。美味しいお茶ですのでぜひおためしください。(30g500円)