さる5月23日(土)、ハロー西荻でにぎわう西荻の町の傍らで、「第2回西荻検定試験」が行われました。
前回2014年1月と違って有料だったこともあり、けっして受験者は多くなかったのですが、それでも真の西荻好きのみなさんが参加してくださいました。ありがとうございました。その中から今回は7名の合格者が出ました。うち1名は前回3級だったのが2級に昇格。おめでとうございます。西荻検定取得者はこれで36名となりました。
内訳としては、70点以上の3級が5名。80点以上の2級は2名。90点以上の1級は今回残念ながら出ませんでした。何人かは1回目の検定試験で涙をのんで今回ついにリベンジを果たすことができたとのこと。果敢なチャレンジに敬意を表します。
会場は、前回と同じく井荻會館。やはり西荻検定にはふさわしい会場ですね。もちろん試験問題にも井荻會館に関する問題が出ました。
問:井荻會館に関する以下の解説の空欄( イ )( ロ )に入る語句の正しい組み合わせはどれか。
井荻町町長だった( イ )をはじめとする地域の人々が共同で建てた集会施設。中には畳敷きの大広間があり、毎月第4日曜日の「手しごと市」、年2回の「骨董好きまつり」などで活用されている。入り口上部に井荻町章をかたどった( ロ )がある。
1)イ・山田宏 ロ・パンテオン
2)イ・内田秀五郎 ロ・パルメット
3)イ・内田秀五郎 ロ・メダリオン
4)イ・井口杢右衛門 ロ・ステンドグラス
……わかりましたか?(イ)はもちろん内田秀五郎さん。山田宏さんは前杉並区長。井口杢右衛門さんは大宮前新田開発にからむ江戸時代の人。(ロ)の正解はメダリオン。当時の左官職人の手によるエンブレム装飾です。パルメットは洋館の屋根に鬼瓦のようについている装飾瓦のこと。西荻観光手帖を熟読された方なら大丈夫だったかと思いますが、もし知らなかった方は、今度井荻會館に行った時には、入口上部にある装飾をチェックしてみてくださいね。
*
「西荻観光手帖」も「西荻検定試験」も、小さなこの西荻をどれだけ楽しめるか、ということを主眼にやっています。連休にはいつも観光地へ遠出をするような住民のみなさんが、「今日は地元でいいや」と思うようになってくれたら、その人たちが、西荻外に住む友人たちを西荻に招いていろいろ案内をしてくれたら、それだけでじわじわと西荻の魅力が浸透していくと思います。だから、すぐになんらかの結果が出るわけではなく、長いスパンを見据えています。
「西荻観光手帖」のキャッチコピー「西荻は観光地ではありません」からもわかるように、もちろん観光地のにぎわいと殺伐を西荻に持ってきたいわけではけしてありません。一住民として吉祥寺のような都市化を望んでいるわけでもありません。また、一発の打ち上げ花火のような派手なイベントで得られたにぎわいのあとには必ず空虚な時間が訪れることを私たちは知っています。
自分たちが住む場所を、いつもとは視点を変えて「観光地」であるかのように楽しむことができたら、それだけで日々は十分豊かになる。さらなる愛着も沸いてきます。町のいいところをみんなで共有しながら、ゆったりとしたにぎわいが創出されていけば、地域史を切断するような再開発話も出る幕がなくなるでしょう。
「西荻観光手帖」が取り扱う内容が「西荻検定試験」のテスト範囲になっていますが、もちろんそれは西荻の全てではありません。小さなこの町は、まだまだ奥深く、たくさんの魅力があります。次回の西荻検定試験実施時期は未定ですが、その前にまず「西荻観光手帖」の増補・拡充をせねばなりません(つまりテスト範囲が増えるということです!)。
ひきつづき、西荻案内所の活動をお見守りくださるよう、よろしくお願い申し上げます。