第8回 西荻ラバーズフェス【西荻のメディアと場】

西荻のメディアと場
第8
回 西荻ラバーズフェス
髙橋成彰さん 野田亜美子さん 星 茉里さん

「西荻を愛する人たちのお祭り」をコンセプトに、2016年3月に第1回開催、約2万人を集め、注目を集めた。
第2回も今年3月に無事終了、ようやく落ち着きを取り戻した実行委員メンバーに集まってもらった。

実行委員はボランティアですよね。どんな人が来るのでしょう。
様々です。西荻でお店をやっている人、西荻在住でここから出勤しているサラリーマン、あと学生さんもいました。「西荻が好き」というところで共通して集まってますから、打ち解けるのは早いです。でもフェス準備には多くの壁が立ちはだかるので、様々な事情から途中で離脱をする人もいます。(髙橋)

髙橋さんがフェスをやろうと思ったきっかけはなんですか。
ふだんはキャンドル屋として、イベント出店や装飾も手がけています。その中で、所属の商店会長さんの紹介で、公園のイルミネーションを設置することになったんです。それが終わったあと、年配の方がお店にいらして、「よかったよ、ありがとう。」ってわざわざ言ってくださったり、街の人が本当に喜んでくださって。西荻で開店してまだ1年くらいでしたが、これを通じて周りの方とも仲良くなれました。子どもの頃は親が転勤族だったのですが、初めてこの西荻で、「地元」を味わった気がします。そういうことがうれしくて、もっと何かを続けたいと思うようになりました。その頃たまたま、桃井原っぱ公園のそばを通りかかり、ひらめいたんです。それで企画書を書き、メンバーを募りはじめました。(髙橋)

その時の企画書と実際のフェスとの違いは。
違いもなにも、僕が最初に書いた企画書での入場者予想は「500人」。とても小さなものを想像してました。桃井原っぱ公園が区立公園で、一般人が借りるのは難しく、実現のためにはそれなりの規模感と、商店会や地域住民など多くの人の協力が不可欠。でも情報を持ってなかったので、そういう想像ができなかったんですね。メンバーに支えてもらいながら、場所に見合うスケールの計画になっていきました。(髙橋)

野田亜美子さんと星茉里さんの加入のきっかけは。
私は生まれが西荻で、もともとフェスの運営に興味を持っていました。西荻でフェスをやるという話を聞き、参加したいと思いつつ、地元民が少なそうなので、ちょっと躊躇していたんです。あと、一度限りの打ち上げ花火だといやだな、と。ある日「ていねいに、」で朝ごはんを食べてたらマサくん(髙橋)と話すことができて、「フェスは3年続ける」ということを聞いて、彼の本気を感じたんです。地元生まれの私だからやれることが必ずあるだろうと思い、メンバーになりました。(野田)
私も西荻生まれです。まちをベースにした仕事やパフォーマンス活動をしていて、SNSでこのフェスを知りました。いろいろ状況が見えてくるにつれ、心配になってきたんですね。生まれたまちでやるイベントが、変なことで失敗したら……。開催にするのにあたって、私がサポートできる部分はお手伝いできたらと思ったんです。(星)

手探りだったのが、逆にいろんな人を奮い立たせたのかもしれませんね。フェスを通じてうれしかったことは。
いろいろあるけど、公園を借りる許可が出たときはうれしかったです。商店会長さん含めかなりの人が、公園を借りるのは難しいよ、と言っていたんです。紙の上の計画でしかなかったことが、一気に実現に向かった瞬間でした。(髙橋)
さまざまな方が知らぬところでサポートをしてくださっていたということを、後日に知る機会が何度もあるんですよ。その都度、胸が熱くなります。(野田)
駅周辺と公園をつなぐ係として、当日は駅から公園を行き来していたのですが、若い人だけのものではない、いい雰囲気のフェスだなあと、じわじわ感じた時ですかね。(星)

フェスは3年計画と聞いています。いよいよ次がその3年目ですが。
僕が実行委員長で続けるのは今回までで、4年目にどうするのか、やりたい人が集まって続けるのには今のやり方では限界があります。今後は今とはまた違った組織化、商店会や町会などの地域のコミュニティ、既存の組織との連携強化も考えなければなりません。ただ、やることが目的になって、義務みたいになってしまってはつまらないと思っています。この2年間、フェスを通じて生まれたことがあまりに多かった。人が集まるお祭りで、人と人とが出会って、なにかが生まれる場になっている。願わくば、続いてほしいですよね。(髙橋)

西荻好きの有志が集まり準備、2016年3月20日に第1回を開催。翌年第2回開催。現在第3回の準備に入っている。6月ごろに実行委員メンバー募集、 あさ市などに参加しながら企画を練り12月末に概要告知開始予定。 会場=桃井原っぱ公園 実行委員=毎年30名程度 入場者数(推定)=2〜3万人
http://nishiogi-lovers.com/

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