毎年11月3〜23は、善福寺公園でアートイベント「 トロールの森2018 」を開催しています。いつも静かな善福寺公園ですが、この期間中はちょっと不思議なアート作品が上の池周辺に点在し、風もないのに池に波がたつかのような、ちょっとだけざわっとした空気感に。いつも思うのですが、トロールの森を見に行くとその昔流行った『MYST』という謎解きPCゲームを思い出します。でももちろん、アーティストから投げかけられた問いに答えがあるわけではありません。終わりのないゲーム。見た人それぞれに感じることが違っても当然。それを楽しんでいってほしいです。今回のトロールの森のテーマは「不在」。それだけなんとなく思いながら作品を見ていくと、けっこう楽しめるのではないかと思います。
ぐるっとまわってきたので、いくつか展示作品を紹介します。
「トロールの森2018」作品紹介(セレクト)
西荻窪駅周辺でも見かけるトロールたち。桃井第四小学校の児童が、合板1枚を3人で使って、自分の姿をトレースし、カットして彩色したものです。10・11の東京女子大学VERA祭にも展示されるとのこと。
公園の林で風に揺れているのは、新江千代さんの「おどるあなたをおぼえてる」。白いドレスがふわふわと。
あれ、こんなところあったっけ、と思わず立ち止まったのが鮫島慧さんの「Remembrance II」。遊具を囲む鉄条網付きフェンスに入口はありません。中には子どもの靴が1足ぽつんと。どこかへ消えたのか、あるいは…。日常目にするものを組み合わせながら、不穏な空気を放つ作品です。
ここだけでなく善福寺公園また西荻の街中に点在しているのが韓成南さんの「Revealing Collective Unconscious」。掲示物に専用アプリをダウンロードしたスマートフォンをかざすと、それぞれに映像作品が立ち上がるという作品です。上の掲示物、「売土地」って! どうみても善福寺公園。いったいいくら??(もちろん架空の広告です)
善福寺池の水をポンプで汲み上げ、それが樋をたどって水車を動かしまた池に戻る。栗田昇さんの「ガチャ・くるっ・水池(スイッチ)」は、つい触ってしまう楽しい作品。
地面に立てられた小さな旗。作品名はズバリ「木漏れ日の数を数える」。渡邊詩子さんのインスタレーションです。リアルタイムではなく、いつかそこにあたっていた光の数。
金沢寿美さんの作品は公園のテーブルとテーブルを布でつなぐその名も「テーブルクロス」なのですが、テーブルクロスにしては大きすぎます。今回のトロールでは一番大きいインスタレーション作品ではないでしょうか。
西荻北4で鉄の工房「アトリエ・ベガ」をやっていた深沢義一さんの「木になって」。善福寺公園の切られた切り株に自身の作品を組み込んでいます。そこにあった木のことを思う作品。
たくさんの小さなティピが、林に並んでいて、それぞれの前には小さなテーブルと晩餐の準備。宮嵜浩さんの「Celebration」は、夜になると光るらしいのですが、まだその現場は見てません。
公園との馴染み感がすごいのですが、鉄でできた田附希恵さんの「島に這う」。
10(土)、17(土)、23(金祝)に善福寺公園に行くと、パフォーマンスが見られるかもしれません。山梨由理さんの「消える私」。鏡を見ながら自分自身に彩色して、その姿が空間に溶け込みしだいに見えなくなっていきます。いや、めちゃ目立ってました。その様子を定点撮影したものをパラパラまんがのように見られるようにするとのこと。
ラジオぱちぱちの面々による黄金バット第99作「怪獣ゼンブク~襲来の巻」の上演時間は以下の通り。
日程:11/3(土祝)、11日(日)、23(金祝)
時間:11/3(土祝) 10:30/12:00/15:00
11/11(日) 10:30/11:30/13:30
11/23(金祝)10:00/12:00/14:00
いい大人たちがこれを99回もやっているとは。まったくもってすごいことです。
ここまででまだ半分も紹介していないのですが、あとはぜひ現地で!
これは作品ではなく、本物のカワセミ。秋の善福寺公園は光がきれいです。
参考リンク:トロールの森2018公式サイト http://www.trollsinthepark.com/
あとは宣伝「西荻にいたピンクの象」
西荻案内所もトロールの森2018に参加しています。すでにお知らせしていますが、まちなか企画の一つとして、11月16〜21日、gallery cadoccoにて、「西荻にいたピンクの象」展を開催、あわせて書籍の販売と、18日に「ピンクのゾーボブキ」ライブを開催しますので、ぜひいらしてくださいね。企画詳細はこちらをご覧ください。