祝日の4月29日は毎年、東京女子大学で「園遊会」というものをやっているそうです。よく案内所にいらっしゃる西荻好きのYさんから教えてもらいました。園遊会というのは、いわば同窓会の文化祭。東京女子大卒業のOGのみなさんによるバザーやコンサートなどが催されます。一般人が東京女子大に入る機会は年に何度もなく、11月のVERA祭くらいと思っていましたが、この日も一般開放しているんですね。知りませんでした。先にひとまわりしてきたYさんが、案内所に園遊会のパンフレットを持ってきてくださいました。
それによると、本館(正面の建物)の2F・3Fにある「新渡戸記念館」がオープンしているというのです。ここはいわば女子大の歴史資料館。これまで入る機会がなかったので、さっそく行ってみました。
新渡戸記念館では今回特別に、歴代学長の色紙を展示しています。初代の学長は記念館の名にも残る新渡戸稲造。丸メガネの先輩です。
この記念館は貴重な写真のほか、設計者のアントニン・レーモンドによる当初プラン設計図の複製や、その模型が展示されています。レーモンドの描いた初期プランは、特に学生寮のエリアが充実していて、体育館とグラウンドが校舎と寮とをつないでいる壮麗なものであったことが模型でよくわかりました。
写真資料も初見のものばかり。なかでも戦中期の写真、空襲に備えて白い校舎をコールタールで黒く塗った戦時中の校舎、話としては聞いたことがありましたが、写真で初めて見ることができました。時代の異様な空気を象徴しているような、まだら黒の校舎。ようやくコールタールを除去することができたのは1950年のことだそうです。
また勤労奉仕で乾電池工場となった時の写真もインパクトがありました。それから戦後の学生運動全盛期に撮影された「卒業式ボイコット実施中」のビラを見つめる母親の写真なども。
幾時代かを経た伝統ある学校の重みを感じることのできた貴重な機会でした。最後は丸メガネ先輩とツーショットで記念撮影です。