もはやエイプリルフールのネタとしか思えないのですが、まじめです。
迷い象を保護しています。
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西荻窪駅南口にある小さなアーケード「仲通街」の、中心からやや南当たりの頭上に、1975(昭和50)年頃からぶら下がっていた張り子でできたピンクの象。
西荻に住む人や、遊びに来る人に、長年親しまれてきた西荻のランドマークです。それがつい先日の2017年3月18日に、新しい象(通称三代目)にバトンタッチすることとなりました。それにともなって、これまでぶらさがっていた通称二代目は引退となります。
ちなみに二代目と言ってるからには初代がいたわけですが、どうも今回のバトンタッチの件で話を整理するなかで、勘違いをしていたことに気づきました。初代は竹かご細工の張り子で、数年で形状が崩れて崩壊寸前となってしまい、それに中芯を入れ補強したのが先日までぶらさがっていた「二代目」だったとのことです。つまり二代目は、初代のフレームを使い補強をほどこした改良版だったらしいのです(別の説あり)。
まずはおさらいから。ピンクの象の由来については諸説ありますが、私が聞いている話はこんな感じです。
商店街で秋祭りのおみこしを買おうにも、駅前の一等地である仲通街には保管場所がなく、しかも御神輿一基の価格帯も安くない。そこでおみこしのかわりに、張り子を山車に載せて、子どもたちが町内をひっぱるんではどうかという妙案が出ました。張り子だったら軽いから、アーケードにぶら下げておけばいいし。
その張り子が象になったのは「なんとなく」で、ピンク色の理由については、その時たまたま、商店会の備品に白いペンキと赤いペンキがあったから、それをまぜた、とのこと(西荻ラバーズフェス会場で配布された当日パンフレット掲載のエッセイ『西荻窪の「ピンクのぞう」』によると、最初はなんと黄色だったそう!知りませんでした)。
毎年9月、荻窪八幡神社例大祭のタイミングで、年に一度だけおろされ、子どもたちがそれをひっぱるのが風物詩となっています(「ピンクの象をひっぱるぞー」)。
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さて、その象が3月18日に交代するにあたり、長年の役割を終えた二代目が、桃井原っぱ公園で開催された「西荻ラバーズフェス」の会場に来ると知ったのは、フェス前日、設営ボランティアとして現地でテントを建てていた最中のことでした。
そもそもピンクの象が線路を越えて北側に来るのだけでもいままでなかったことだし、そりゃすごいね、と話をしていたのですが、よくよく聞くと「三代目」が役についたので、二代目はそのまま処分になってしまうとのこと。フェス翌日の20日午前11時に引き取りのトラックが来るという段取りになっていたのです。
もともと吊るすことでしか保管場所を確保できなかったわけですし、張り子とはいえなかなかの巨体、そうそう引き取り手もみつからぬでしょうから、世代交代に伴い、苦慮したあげくの結論で廃棄ということになったのでしょうが、これには私の気持ちの整理がつかなかったのです。40年にわたり西荻の街を見下ろしてきた象の末期が、あっさり廃棄ではさすがにちょっと悲しいなあと思って、フェスボランティアの合間をぬって、いろんな方にご連絡をし、フェス終わりかけの19日16時ごろにようやく、張り子の象の一時的な保管場所を確保することができました。
個人的な思いから、商店会長さんをはじめ、かなりたくさんの方にご面倒とご迷惑をかけてしまいました。現在は杉並区内某所に保管してあります。
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「保管」といっても、急なお願いだったこともあって一時的なものです。ブルーシートでつくった急ごしらえの屋根の下、ブルーシートでぐるぐる巻きにした状態で、かろうじて野ざらしではないのですが、けして良好とはいいがたい環境であり、いつまでも保管をすることはできません。現状ですとやはり梅雨入り前後くらいまでには、象の行末について方針を決めなければならないでしょう。
そこで「二代目ピンクの象」について、今後どうしたらいいのかの意見を募ろうと思います。つきましては本記事コメント欄にご意見などください。なおコメントは即座に反映されず、本サイトの仕様上、いったんこちらでチェックしてからの掲載となりますことをご了承下さい。いきなり意見がオープンになるのはちょっと……という方は、西荻案内所(nishiogi@topaz.plala.or.jp)へメールを下さい。アイデアを出すだけでなく、しっかり関わりたいという方を歓迎します。その場合のご連絡もメール頂けますと幸いです。
なお、二代目ピンクの象にはこれから、いくつかの道があると考えています。ひとつは寄贈。どなたかがもらいうけることで、第二の生を歩むというものです。しかし象はなかなかの巨体ですし、西荻の人でなければあいつへの思い入れもないでしょうから、なかなか難しいのではと考えています。
あとは解体・処分ということになりますが、私も含めて、みなさんが納得いく形で二代目を見送ることができればと思います。ただ単に廃棄するのではなく、なにかできるんじゃないかなあと思ってます。
なお、二代目ピンクの象の所有権はいぜんとして「仲通街」さんにあります。ここでいただいたご意見をもとに、最終的には仲通街さんのご判断となります。
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二代目象をそのまま保存せよ、あるいは元の位置に戻せ、という意見の方がいらっしゃることは承知していますが、私はその立場を取りません。
保管場所への移送中、4人で二代目ピンクの象を抱えてトラックに載せたのですが、その時に感じたのは、象がまさに満身創痍、ほんとうにぼろぼろであるということでした。
下から見上げるだけではわかりませんが、いまにもバラけてしまいそうな脆い状態でした。商店会の方々もその危険性についてはかなり気にしていて、台風や暴風雨ごとに、落下して誰かが怪我でもしたらと、心配をしていたそうです。また日常の修復には電話帳の切れっぱしとペンキを使用しており、それが積み重なった総重量は150キロに迫るものとなっていたようです。
年に一度だけとはいえ、上げ下げにも一苦労、作業も危険をともなうものでした。それをふまえて新しい象(三代目)は、重さ約3分の1となっています。
また、このタイミングで象を新しくするのは、きっと必然があったのだろうと考えています。商店街を続けるために、イメージも含めて刷新したいという意志を感じました。たしかに二代目の不気味な存在感、とっても名残惜しいのは事実ですが(でなければ一時保管先など探しません)、かといってすでにいる三代目について、とやかく言う気はありませんし、むしろ、いいところを探してあげてほしいなあと思ってます。
ほんとはもうちょっと書きたいことがあるんだけど、書けないことも多いのです。二代目ピンクの象だけでなく、この3月で西荻デパートは閉店、ほかにもいくつものお店がこの春で商売をやめてしまったりしていて、その風景の変化のスピードは年々加速しているように感じます。東京という大都会の片隅にあって、西荻の街が変化していくというのはある意味必然なのかもしれませんが、その中で私たちが選べる選択肢というものもきっとあるはずです。ほんのわずかなことになるかもしれませんが。今回の象のことが、そんなことを考えるきっかけになったらいいなあと思います。
無理を承知での依頼ですが。
茶散歩の時に、cadoccoの庭に象さんに来ていただく事が出来たなら・・。
花道として、来てくれたみんなの手でレイのように首にお花(紙製かな)をつけてあげたい。
cadoccoのお庭には入れないです。大きすぎて(^o^)
保護して頂いて、一住民として感謝いたします。見上げているとよくわからないのですが、終の住処を考えるにあたって、このゾウさんのサイズはどのくらいか、教えてください。
サイズですが、
頭から尻尾までが220cm
幅は170cm(耳を押すともうちょっと小さくなるかも)
高さは220cm です。
杉並区の郷土博物館にご相談されてみてはどうでしょうか?
大きさ的に難しいかもしれませんが、地域の歴史を伝える貴重な資料だと思いますよ。
コメントありがとうございます。
実は商店会長さんがすでに郷土博物館に連絡してみたそうなのですが、ちょっと難しそうです。
ずーっと考えてるのですが
妙案が浮かばないでいるポンコツ村民です。
もう物体として行き場がないのなら
あとは「送ってあげる」しかないのかな、と。
可能なら
・親子連れが出やすい土日を選んでお祭りの時と同様の場所に設置
・交代の経緯をパネルで説明
・吊られていた頃の写真をポストカードにして配布(余分があれば商店会で配布したり希望店で販売しても)
・写真撮影、寄せ書きOKに
・撤収時間(車に乗せて運ぶ時間)には改めて商店会の会長さんから労っていただいて
・見送り
というオーソドックスすぎる案しか…
もちろん人手の要ることなのでお手伝いはする所存です。
とはいえチャサンポーがおわれば梅雨入り…5月のうちにそんな機会設けるのは難しいのかなあ…(もんもん)
[…] 参考 http://nishiogi.in/170401pzo/ […]
[…] リボテはそのまま廃棄になると聞き、フェスボランティアの合間に一時保管場所を探すなどしました。その後、佐渡に行った経緯等は、当HPで報告した通り。ここやここを御覧ください。 […]
[…] というのは、これまでに何度かお伝えした通りです。昨年の西荻ラバーズフェスのころに電撃引退。その半年後の昨年9月に佐渡に移送し、12月の羽茂大市で佐渡のみなさんにお披露目さ […]
[…] というのは、これまでに何度かお伝えした通りです。昨年の西荻ラバーズフェスのころに電撃引退。その半年後の昨年9月に佐渡に移送し、12月の羽茂大市で佐渡のみなさんにお披露目さ […]