チャサンポー/西荻茶散歩の西荻案内所は、「KOKESHIEN!」による西荻こけし案内所でした。
チャサンポー前日夜、西荻案内所内に大量のこけしが持ち込まれました。小指サイズのものから90センチくらいのものまであり圧倒されました。私の認識ではこれまですべてのこけしがひとくくりだったのですが、それぞれ産地系統だけでなく工人さんによっても特徴があり、愛らしいものやコミカルなものや、やっぱりどこかブキミなものまで、さまざまな表情があるのですね。
当日は待ちかねたこけしファンが両日ともにたくさん訪れ、たくさんのこけしが新しい家に旅立って行きました。そのファンの熱を浴びて、私も少しだけこけしに詳しくなりました。
所内にはこけし11系統の特徴がわかるような参考こけしが置かれました。
手前のオモロ顔おちょぼ口は肘折系こけし。左は南部系、右は蔵王高湯系(ですよね?)。伝統こけしのこの「系統」というのが魅力の一つなのかなあと思います。人の作ったものが土地とつながっている。土地ごとの特色、表情があり、それは時に他の系統ともゆるやかにつながっている。そしてその土地とはたいてい温泉地。こけしと地面の関係について、さらにもやもや考えていましたが、それについてはまとまったらそのうちに。
6日の夜には絵本『こけしのゆめ』の読み聞かせ会&主題歌披露が行われました。とってもいい主題歌なので、いつか披露できる日があればと思っていましたが、絶好のタイミングで実現しました。案内所のとなりに6月1日オープンした三つ枝商店さんに全面協力をしていただき、会場として利用させていただきました。ありがとうございます。
読み聞かせと歌はチャンキー松本さん。ギター伴奏は坂ノ下典正さんです。しっとりとしたギターの音色が、木に囲まれた三つ枝商店の空間とも合い、茶散歩のにぎわいの残る初夏の夕暮れに、気持ちのよい穏やかな時間を過ごすことができました。手前に陣取ったこどもたちもチャンキーさんの変幻自在なリードもあって集中していました。
現在「第3次こけしブーム」と言われています。「第1次」は戦前、「第2次」は戦後昭和40年ころのこと。交通網が整備されて「旅の思い出」としてのこけしの需要があがってきたのでしょうね。
ところで「なんで最近の西荻はこけしなのか」という質問を開催中に何人の方からかいただき、「そりゃあこけし屋もあるしね〜」などと雑な返事をしてしまっていたのですが、これは単純に、第3次こけしブームを支える人と西荻好きな人が重なっているからでしょう。それがいったいどういう層なのか、というのは割愛しますが、なんとなくわかりますよね。
というわけで、西荻こけし案内所を支えたKOKESHIEN!の二人が巨大こけしを手に記念撮影。連日のこけし解説おつかれさまでした!
西荻では「こけしEXPO」を引き続き開催中。紅茶が美味しい西荻イトチは、新しい伝統こけしを販売しています。中古こけしの味わいも魅力がありますが、現在のこけしの美肌ぶりをぜひ見に行ってほしいです。ウレシカでは、「えかきのこけし展」。案内所メンバーのいぬんこさんが絵付けをしたこけしも出展中。ベビヰドヲルの「こけしと郷土玩具2015」もぜひチェックしてください。
案内所も記念に3つゲットしました。なにかの「記念」というのは、こけしを手にいれる絶好のタイミングですね。ひとつは震度4でも安定感がありそうな土湯のこけし(中央)。その右のちびは伝統こけしに混じっていたので売り物からはずされた創作こけし。一番右は冷ややかな表情が魅力の木地山こけし。左は去年イトチで入手した宝船達磨です。連日こけしの見すぎで、人の顔を見ると、ひそかに「この人はこけしで言ったら何系だろうか」などと考えてしまうようになりました。いかんいかん、今日から通常業務に戻ります。