ムービー第2弾『ピンクの象が佐渡に来た』公開中

前回のつづき。

チャサンポー/西荻茶散歩2018、一欅庵での展示『 ピンクの象が佐渡に来た 』展にあわせて、会場で流されたムービーがタイトルそのまんまの『 ピンクの象が佐渡に来た 』。5月に佐渡に行って撮影してきた最新映像です。

 

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西荻から佐渡に渡った二代目ピンクの象。
2018年5月、表面に貼られた紙をはがすことに。
そして見えてきたのは、しっかりつくられた竹細工でした。

企画=西荻案内所
映像=和久井幸一
音楽=ズビズバー(西尾賢 西本さゆり)
『果てしなきいちゆう』(詩・曲 西尾賢)
『明日の行方』(詩・曲 青柳努)

協力
ハロー!ブックス実行委員会
新潟日報社
佐渡のみなさん

 

今回も映像は和久井幸一さん。前作『佐渡へ行く』では、トラックに乗ったあたりから映像の感じが変わって荒っぽくなりますが、それはなぜなら和久井さんが撮ってないから。自身のイベントを抱えていて、佐渡に行けなかったのです。そのあと12月の「ピンクの象会議」もインフルエンザになって欠席、ようやく今回、佐渡にわたって映像を撮ってもらえました。

音楽はズビズバー西尾賢さんとettの西本さゆりさんのユニット。「果てしなきいちゆう」は、お坊さんのいちゆうさんの歌なのですが、佐渡の風景に本当にぴったり。「明日の行方」も、いい感じです。ズビズバーのCDは、いまなら西荻北の北欧雑貨店Miesで扱っています。

 

 

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01〜05こちらです)
ピンクの象(二代目)をさかさまに積み込んだトラックは西荻窪駅前を出発。関越道で佐渡へ。ひさびさのマニュアル車運転でしかもそれが2トントラックというのに不安があり、新潟まではトラックを貸してくれた武蔵関・東京演劇アンサンブル三木元太さんに運転をしてもらいました。三木さんとは佐渡行きフェリー乗り場近くの「弁慶」でお寿司を食べてお別れ。高速道路はともかく、西荻窪駅前周辺はトラックの運転に慣れた人でないとやばかった。トラックの運転手さんは運転時に皮膚感覚が拡張されるのでしょうか。ほんとすごいわ〜。フェリーに無事乗船してちょっと休憩。

22時に佐渡上陸。台風の影響もなく順調です。その日は小木(両津から50kmくらいある)で一泊。翌朝、この日から開催の「ハロー!ブックス」会場・旧川茂小学校に移動しました。佐渡は台風前とはいえ穏やかな天候でしたが、この日の西荻は大雨。三代目のお披露目お練りが中止になったと連絡をもらいました。

ハロー!ブックス会場で楽しんでもらい、おけさガールズ(佐渡の温泉PR女子2人組)やハロー!ブックスゲストの南伸坊さんと記念撮影など。

佐渡ハロー!ブックスのゲスト、南伸坊さんと記念撮影。

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台風はハロー!ブックス1日目と2日目の間の深夜に佐渡上空を通過。

象のほうは小学校の体育館で一安心。あとから聞きましたが、西荻で半年保管した仮設象舎は台風で崩壊したそう。わずか1日違い。この日私たちは、北区王子の古書カフェくしゃまんべのおふたりが借りている古民家に一晩お世話になりました。大きな屋根で一安心、台風が近づいていることも忘れ、朝までぐっすりできました。

そして翌日、帰るはずのフェリーが欠航。ハロー!ブックスをもう一日エンジョイし、Sさん宅に保管されるところまでを見届ける事ができました。ここまでが第1弾ムービー『ピンクの象、佐渡に行く』の内容。

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こうして佐渡に引き渡されたピンクの象(二代目)。帰京直後に報告をかねて「もりのこと」で佐渡のお土産展をやりました。そのあと11月の続・西荻案内所では、ムービー『ピンクの象、佐渡へ行く』と、3Dデータの公開をしました。

そのあと、12月の羽茂大市で象が佐渡デビューするよと連絡があってそれを見に行き、ピンクの象会議にも出席したというのは、こちらの記事こちらの記事に書きました。また3月3日の新潟日報「おとなプラス」にも3ページに渡って西荻と佐渡をつなぐピンクの象の記事が載りました。

 

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それでいよいよ今回の動画の内容になります。「象の紙をはがしてみまーす」と先月、ハロー!ブックスの田中さんから連絡があり急遽佐渡へ。映像の和久井さんも同乗。

紙をはがすというのはもともと、お別れ会のときにやろうと思っていた案の一つでした。みんなが侮る外見ながら実は、しっかりした竹細工らしいということには気づいていました。ピンクの象の正体を、和久井さんの映像を通して西荻の人にも見てもらえたのはよかったです。ラストのフェリーからの映像もいい!

佐渡のかもめ
これは奥秋撮影

この時にまた新たにわかったこと……というか正確に言うと、これまで気にしてこなかったけど、あらためて気づいたこともいろいろありました。

一つは、重さの問題。そもそも、象が重くって釣り上げるのに一苦労、なにせ150kgもあるんだから、という話から軽量素材の発泡スチロール製に変わったはずなのですが、今回の映像では、女2男1子ども1の4人で階段からおろしています。これがまさか150kgのわけがない。実際の重さは40kg弱といったところでしょう。電話帳が何重にも貼ってあるから重くなったというのも言われましたが、電話帳を何冊使ったら150kgになるのか。冷静に考えたら気づきましたね。

釣り上げるのが大変、というのは実際にそうなのだと思います。二代目象の重心の高さとか、バランスの取りづらさとか。重さを感じる様々な要因があるのでしょう。もともと商店会さんが象の維持で難儀していたのは事実で、それはこの数年になって、竹細工象のメンテが紙の張替えと塗装でなく、簡易的にピンクのガムテを使っていたことになっていたことからもわかります。

尻はウズラ編み
この写真を見て「この編み方はウズラ」と竹清堂の田中旭祥さん談。

それから中身の問題。聞いたところでは壊れるのを防ぐために、角材を入れて補強したという話でしたが、実際に中に芯として入っているのは、さほど太くもない竹の棒で、背の釣り手のところだけかろうじて角材が使われるくらいでした。表面はびっしりと六つ目編み。そう簡単にはこわれない構造であることがわかります。以前に誰かが「幼稚園児が作った」と言っているのを見かけましたが、もちろんそうではなく間違いなくプロが製作したものです。

竹象の中を覗きこむ

つくづく、見た目で損をしているやつだなと思います。外見でハッタリかましておいて中身がカラッポってのが多い世の中で、外見へなちょこで中は男前ってところがかっこいいです。ハリボテなのに。

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このあと3代目ピンクの象について、わかっていることを少しだけ書こうかなとも思いましたが、やっぱりそれはまたいつか。

第1第3日曜日の喫茶ワンデルング番の日に来てくださったら、余裕があればお話するかもしれません。

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最後に、ピンクの象について、これまで調べてきたことをまとめた本を11月に刊行するべく動き始めました。つきましてはご予約をいただけるとありがたいです。

『西荻にいたピンクの象(仮)』

予約は現在「茶舗あすか」で受付中。 1500+税(1620円)。

予約特典として、今なら在庫僅少の限定「西荻グルメシール」(下FB参考)を差し上げております。

よろしくお願いします。

 

 

 

 

2 Thoughts to “ムービー第2弾『ピンクの象が佐渡に来た』公開中

  1. […] 主のいなくなったNさん邸の象舎は、その日に台風で崩壊したそうです。(つづく) […]

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