山形に行ってきた(3)勝負師、北へ

これまで)骨董店・木土藍楽の渡部さん(ナベさん)の仕入れに便乗して山形へ。山形市内から車で北に向かいます。

さくらんぼマークがかわいい山形銀行前にてナベさんに再び拾われた私たち。ナベさんの「もうなんか食べたの?」の言葉で、さっき冷やしラーメンを食いっぱぐれていたことを思い出しました。そうだ、事前調査で3票も入った「龍上海」というラーメン屋はどうだろ。そこで「龍上海」ってどうなのよとそれとなく聞いたらば、ナベさんの顔色がわずかにくもりました。「もちろんおいしいんだけどねえ、ちょっと重いんですよね〜」。こってり系。たしかにこのタイミングではちょっと苦しいかも……。「そうだ、ラーメンとおそばのどっちもある店に行きましょう」日本そばラーメン、ファミレスならともかく、専門店でなんとも不思議なくみあわせ。移動開始です。

ナベさん、仕入れのほうはともかく、帰り際にいい感じの蔵を見つけて、ちょっと立ち話をしてたから時間がかかったんだそうです。「骨董の仕入れは駆け引きだからね〜」というナベさん。車内での骨董トーク、ここには詳しく書けませんが、勝負師のドキドキハラハラが満載。楽しくおしゃべりしているうちに、やがて「勝負師」の街にたどり着きました。

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山形県天童市。将棋の駒の生産日本一ということで有名です。どこもかしこも将棋の駒。そして温泉。将棋に興味のない人の肩身がせまそうな街です。たどりついたのは「水車生そば」という、大きめのお店。こちらの名物が「鳥中華」という名前のラーメン。ナベさんいわく、「なにしろ日本そば屋なのに客の8割が鳥中華を注文するんだから」とのこと。すっかりラーメン脳だっただけに期待がふくらみます。でもちょっと、日本そばも気になるところ。私は日本そばをいただくことにして、鳥中華はちょっとわけてもらうことにしました。食事を待つ間にちょっと外へ。

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「水車生そば」、なかなか観光地風の佇まい。将棋の駒モチーフももちろん取り入れられてます。おとなりにあった「栄春堂」というお店は将棋の駒のお店のようなので、ちょっと拝見。作業スペースではちょうど、「左馬」のような将棋駒の置物をつくっているところでした。でも「左馬」ではなく大きく男性の名前が彫られた駒。きっと誕生祝いとか、そういう記念品として人気があるのでしょうね(余談ですが、左馬というのは、左右反転した馬の字が彫られた縁起物の駒。ウマが逆でマウ=めでたいとのイメージらしいのですが、ちょっと強引なような……。そもそも馬の字が左を向いてるから左馬らしいのですが、馬の字の形成過程から考えると、もとの字が左馬で左右反転させたら右馬になるはず……。真実やいかに)。「栄春堂」さん、ちらっと見て「水車」に戻ってしまったのですが、あとで調べたら、将棋の駒だけでなくこけし工人さんでもあったようです。ちゃんと店内見ておけばよかったかも。

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というわけで、鳥中華と日本そば。
鳥中華はさっぱり味で好きなやつでした。ホッとしました。さすが8割が注文するだけのことはありますね〜。

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日本そばは「客の8割が鳥中華」の話を聞いてから、まあまあなのかなと思っていたら、いやいや!太めでしっかりしてるけど硬すぎず、とっても好きなやつでしたよ。昼はとっても混雑する人気店なのだそうです。ほっとする味だから地元の人が多いんでしょうね。

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ごはんを食べたらあとは今日の宿に行くだけなのですが、「まだ時間があるからちょっと銀山温泉でも行ってみる?」と、ナベさんのやさしい言葉。小雨交じりの銀山温泉は100年前に迷い込んだかのようでした。売店で買った尾花沢スイカサイダーも美味でした。あとでどこかでまとめ買いしようと思っていたのですが、もう出会うことはできませんでした。山形は広いですね。

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夕方になって、あとは今日の宿、瀬見温泉へ。ナベさんの故郷はここからさらに上流にあるのだそうです。行きがてら、ナベさんたちの瀬見温泉「武勇伝」を聞くのですが、やっぱりここには書けない内容でした。(つづく

2 Thoughts to “山形に行ってきた(3)勝負師、北へ

  1. […] (これまで)骨董店・木土藍楽の渡部さん(ナベさん)の仕入れに便乗して山形へ。だらだらと小出しに書いてた旅行はようやく一泊目の瀬見温泉に到着します。 […]

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