補助132号線
北銀座通りの幅が広がる計画(180830)

補助132号線 の説明

東京都市計画道路補助線街路第132号線 事業内容等説明会」が開催されるというので行ってきました。いわゆる北銀座通り(都道 補助132号線 )です。

道路の幅を広げる計画が、以前から北銀座通りにあります。現在11メートルの幅を16メートルにしようという計画です。青梅街道から西荻窪駅前をとおって南口の西武信用金庫の前まで。駅から西武信金前までの区間は幅20メートルにするという計画です。本来はそこから井の頭通りまで太い道路がつながるという壮大な計画なのですが、今問題になっているのは、とりあえず青梅街道から南口の西武信金まで。

説明は、なぜ北銀座通りの幅が広がることになったのか、その経緯や理由、今後のスケジュールが区の担当者から説明され、そのあとの質疑応答があって、住民やお店をやっている方のこの件に対する立ち位置のようなものがわかって、ちょっと興味深かったのでレポートします。

以下、平易な言葉をなるべくつかうつもりなのもあって、ちょっと主観が入ると思います。正確なところは区の関連ページをご覧ください。(めっちゃ見にくいですが……)

 

補助132号線 整備決定の経緯

 

大正10(1921)年、北銀座通りは西荻窪駅開業に先駆け、当時の内田秀五郎村長らによる区画整理の一環で整備されたのち、昭和2(1927)年、当時「補助32号」と呼ばれた道路が11メートル幅で計画告示され、再整備されました。その後132号線と呼ばれるようになった北銀座通りは、昭和41(1966)年、16メートル幅の道路として都市計画道路のリストにあらためて加えられることになりました。これ以降、道路用地にかかるところは新しい建物が制限されることとなりました。北銀座通り西側の商店やマンションがセットバックしていたり、建っていても道に近いところだけ2階建てだったりするのはこの制限のためです。約50年、計画が事業に進展することはありませんでした。しかし平成28(2016)年、状況が一気に変わる出来事が起こります。補助132号線が「第4次事業化計画」の優先整備道路に指定されたのです。

補助132号線の都市計画道路の全長は、青梅街道から西武信金までの1,070メートルです。都市計画道路の整備の理由にはいくつかあるのですが、この132号線の場合は、主に2つのことが整備の理由となって優先順位が上がりました。以下。お役所っぽい言葉で説明すると……

高度な防災都市の実現

拠点形成・拠点間連携

だそうです。

 

気づかなかったよ東京ガス

 

ここで役所の人は阪神淡路大震災のときの例を挙げながら、道路幅の広い道路が火除け地になる、という説をおっしゃっていました。阪神淡路大震災の時は、幅が13メートルあると、延焼が100%防がれたのだそうです。たしかに北銀座通りの11メートルではちょっと足りない。

北銀座通りには、防災上とても重要な施設があるのをご存知ですか。それは関根橋よりちょっと北にある東京ガス。ガスの緊急車両があそこに待機しているのです。緊急時はここから幹線道路である青梅街道までの道は、必ず通れるようにしておかないといけません。整備の優先順位があがった最大の理由は、「東京ガスがあるから」なのです。知ってました?

さて2つ目の「拠点形成・拠点間連携」は、防災というよりも、西荻窪駅近辺の道路状況の整備、駅前の人の流れの改善ということだったかと思います。合わせて電線の地中化とバリアフリー化を行い、道路に路肩をつくって余裕をもたせ、歩道も現在2.5メートルを3.5メートルにするという計画です。高円寺あたりにすでに工事が完了している区間があるのでイメージしやすいかもしれません。緊急性という点ではちょっと下がります。

これと同時に西荻窪周辺まちづくりについて、地域住民と話し合っていく取組も進めていくとのことで、具体的な場所の話はしてないけど、これは要するに、駅前(バスロータリー)を整備したい、ということなのかなと思いました。

 

補助132号線 今後の予定

さて、具体的にはどのように進めていくのでしょうか。さっきも書きましたが、都市計画道路の優先整備路線としての補助132号線は、青梅街道から西武信金までの1,070メートルです。この区間を3つに分け、工期を3期に分けるというのが、現在の計画です。

北の方から整備計画が進むとのこと。第1期は、先述の東京ガスに絡んで、青梅街道からだいたい関根橋くらいまで(正確には未定)。用地測量は平成28年から行っていて、来年には事業認可を目指しています。その2年後2021年ころから用地折衝が始まり、やがて工事着手となります。

第1期の完成に至らずとも、めどが付いてきたらのこりの第2期・第3期の事業認可に着手していきますが、用地折衝は相手のある話なので、これ以降のスケジュールが組めないのだそうです。なので最終的な完成がいつになるのかわかりません。

 

関係者の声

まず南の商店会の会員さんから声が上がりました。南口エリアは道幅が20メートルに設定されているのです。ここから井ノ頭通りにつながる道路の計画を見据えて道幅が北より太めに設定されているのですが、この先の道路の優先整備度は高くないので、いつ整備されるのかはわかりません。現状ではここが終点。しかも道路の西側、パチンコ・ゴードンやTSUTAYAのあるほうに、道幅が9メートル伸びるというのも特徴です。商店街の半分の店が実質消滅する。それをどう考えるのか、という意見が出されました。

これ実際に動き出したら、単純に南口の通りだけを拡張するということにならないでしょう。ピンクの象のある仲通街との間、建物が建てられるスペースはとっても狭くなります。そこまでしてあそこで商売をする人がいるのか。そうなると南口にロータリーの整備? あるいは再開発でマンション? 南口にとっては、2つないし3つの商店街の存続にかかわるけっこう大変な事態なのです。

先日発生した南口の火事の話も出ました。「あっちのほうを整備するのが優先なんじゃないの?」という商店会員さんの意見。防災の面で考えたらたしかにそのとおり。でも、あのあたりの飲食店街こそ、なくなったらもう戻せない西荻最大の地域財産です。飲食店のみなさんは自主的な消火訓練なども行っていて、その努力はもっと評価されるべきと思います。

一方、北の商店会のみなさんは、50年前からの建築規制もあり、肚がきまっているようで対照的でした。いったいいつやるのか、さっさと決めてくれ、ということです。第1期の区間のお店ならともかく、関根橋以南の第2期はいつ着手になるのかわかりません。そこで区の担当者が、ぽろっと目安の話をしてくださいました。

過去の実績等で考えると300メートルが5〜10年で完成する、とのこと。それで計算すると、1,070メートル3期ですから、最短でも15年、最長で30年以上かかるということに! ある商店の方が「そんなんもうオレ、死んじゃってるよ」と言ってたのにどきっとしました。

 

まとめ

というわけで、北から順番に整備するということ、幅16メートル、青梅街道から東京ガスまでの道がいちばん重要だということ、電線地中化とバリアフリー、西荻窪駅前の整備に具体的に取り掛かるのは最短でも10年くらい先のことでありそうなこと……などがわかりました。

個人的な意見としては、北口方面はともかく南の道を広げる必然性がそもそもないように感じました。整備されて便利になることで、街の特徴や魅力を失ってしまうようでは元も子もありません。整備された駅周辺、どこも同じ風景になってきているのが気になります。再開発ありきのまちづくり会合ではなく、そのままでいいということも言えたらいいなと思います。

 

追記

続きの記事も書いたので、こちらも合わせてご覧ください。(2018/12/26)

 

2 Thoughts to “補助132号線
北銀座通りの幅が広がる計画(180830)

  1. […] っているのは、北銀座通りの道路拡張計画の計画ラインに入っているからなのです(参考記事はこちら)。道路拡張でまたいつかこわすことを前提に、建物がつくられているということ […]

  2. […] ートルに拡幅する計画)があるのは、8月30日のこちらの記事で紹介しました。 […]

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