村田商會のクラウドファンディング 〜純喫茶めぐり

村田商會のクラウドファンディング

村田商會のクラウドファンディング 、一口購入しました。西荻北にあった老舗喫茶店「pot」の場所を引き継いで、喫茶店家具の販売をはじめた 村田商會 さん。紹介の記事は以前に書きました(こちら)。先日、NHKラジオの放送「マイあさラジオ」で西荻案内所が西荻窪を紹介することになった時にも取材をさせてもらいました。

今年に入ってからは喫茶店営業もスタート。珈琲(カップはpotさんのロゴ入り。店にあったものをそのまま使用)はもちろん、いかにも喫茶店メニューなクリームソーダや、ちょっと気になる「ナポリタンうどん」などがあります。店主の村田龍一さんはもともと喫茶好きなので、メニューにもこだわりが見え隠れ。そんな村田さんがお店を始めるにあたりクラウドファンディングをやっていたのです。

村田商會のクラウドファンディング

ナポリタンうどん
ナポリタンうどん

クラウドファンディングの内容がいくつかあったのですが、その中でやっぱりコレ!と思ったのは、「西荻窪の喫茶飲み歩き権」。全国の純喫茶めぐりをした村田さんと西荻窪の喫茶をめぐる権利です。ぽちっと購入。後日、村田さんからメールが来て、日にちをアポイントし、夜の西荻喫茶めぐりをしてきました。

村田龍一さん
村田龍一さん

お店の営業後ということで、20時に集合。となると、すでにこの時点でいくつかのお店はすでに閉店の時間。それでも二軒くらいはまわりたい。さてどこに行きましょうか、と相談したところ、まずは私も村田さんもあまり行ったことがないところに行ってみることに。

談話室しみず でおしゃべりを聞く

それで、行ったのが、西荻北の伏見通りにある談話室しみずさん。アットホームな雰囲気にたじろぎ、実はこれまで一度も入ったことがなかったのです。村田さんもこれまで入ったのは一度だけとのこと。

談話室しみず

席に着いてコーヒーを注文。時間も遅めだったので、お客さんは私たちだけ。まずは村田さんと、西荻の喫茶店についてのおしゃべり。

西荻はご存知の通り喫茶店が多いエリアです。いちおう言っておくと、ここでいう喫茶店とは、ニュアンス的に「カフェ」とは区別されたもので、昭和の時代からあるような、いわゆる純喫茶と呼ばれているものをイメージしています。

西荻窪にはどのくらい喫茶店があるか、まずは思いつく限りの名前を挙げていきます。西荻一番街の「物豆奇」さん、南口の「ダンテ」さん、村田商會の向かいにある「どんぐり舎」さん、水出しコーヒーの「それいゆ」さん、こういう時に忘れちゃいけない「こけし屋(2F)」さん。このあたりは西荻喫茶の老舗と言えるでしょう。さてここからが本番。西荻シルクロード商店街の「びあん香」さん(バラの花をかたどったバニラアイスがインスタ映えで人気)は人通りの多い場所なので知ってる人も多いと思いますが、南口松庵通りの近くにある「ばばーる」さん(オムライスがオススメ)あたりは知る人ぞ知るお店。夢飯の道、サレカマネの向かいにある「ビーイン」さんはサイフォンコーヒーが名物。それから北銀座通りの「ひまわり」さん。ダンテの向かいの「エトアール」さんも、食堂使いすることのほうが多いけどやっぱり喫茶店。あとはカレーがうれしい南口の「まつばや」さん。「JUHA」さんにも昭和の喫茶店の趣がありますね。最新のところでは、北銀座通りの「珈琲高村」さん。それからほかは……すっかり忘れてた!柳小路の「喫茶ワンデルング」(第1第3日曜日は西荻案内所が店番担当)。

西荻の喫茶店は当然のように網羅している村田さん。しかしこちらとしても意地(?)がありますので、村田さんの知らないお店を探していくことに。それで、住所は武蔵野市だけど近いのは西荻窪駅、松籟公園の裏にある「WOOD STOCK」さんの名前を出したら「そこは行ったことないですよ」と村田さん。それから「喫茶マンモス」さんの情報も。

談話室しみずのコーヒー
カップがかわいい

コーヒーが出てきたところで、今度はお店の人にお話をふってみたところ、おばちゃんのマシンガントークがスタート! 談話室しみずさんはもともと、この場所で書店を営んでいたのだそうです。その後に喫茶店をはじめてもう30年くらい。最初は本屋と併設で喫茶店をするという計画もあったのですが、さすがに大変だろうと喫茶のみになったのだとのこと。荻窪八丁のTitleさんが今やってることを30年も前にやろうとしていたとは。

お店の内装に特徴があって、調理スペースに日本の茶屋のような庇がついています。お店の雰囲気と合わないからと、取り外すことも考えたけど、けっきょくそのままにして、今ではトレードマークになっています。その雰囲気から来ているのか、手書きメニューのオススメで大きく「おしるこ」の文字が。あんこも自分で炊いているのだそう。

麻雀

談話室しみず でいいなあと思うのは、中に麻雀のテーブルゲーム機が置いてあること。意外とやる人が多いんですって。麻雀ゲーム機は、しみずさんの備品ではなくってレンタル品。各地の喫茶店にゲーム機を貸し出している業者さんがときどき回ってきて、精算することになっているそうです。右上にちらっと写っている漫画の本も同じ業者さんからのレンタル。だから意外と新しい漫画が入っているのです。この時代に、そのようなビジネスをしている人がいらっしゃるんですね。喫茶店文化の奥深さを垣間見た気がしました。次来るときはおしるこを食べますねとおばちゃんと約束をして、次の喫茶店へ。

どんぐり舎でコーヒーゼリー

21時を過ぎ、次は定番のお店に行きましょうか、と選んだのは、村田商會向かいのどんぐり舎さん。

どんぐり舎

どんぐり舎といえば「ほろ苦ブレンド」など深煎りコーヒーが魅力なのですが、こちらで私は、いままでありつけなかったものを注文。それがコーヒーゼリー(一日5個限定メニュー)です。

どんぐり舎のコーヒーゼリー

どんぐり舎のコーヒーは、コーヒーゼリーにぴったり。以前にテレビの散歩番組で、今は亡き西荻の有名人・萩原流行さんが紹介していたので、ずっと気になっていたのですが、この日にようやく。

どんぐり舎さんのテーブルや椅子は、重厚感がありながらカドが擦れて丸くなっていて、ついさすってしまいます。村田さんが喫茶店の家具を扱うお店を始めたのも、こういう手触りの良さを大事にしたかったからなのかな。新しいものがまとうことができないオーラがあります。

村田さんがそもそも喫茶店にはまるようになったきっかけは、中野にあった名曲喫茶「クラシック」。狭い階段を上がった2Fの壁一面にたくさんのスピーカーが並んでいて、どのスピーカーから音が出ているのかさっぱりわからない不思議なお店だったことを覚えています。

そこから荻窪の邪宗門などにも行き、その後は当時の仕事で全国をまわりながらついでに各地の喫茶店を巡るようになり、今では喫茶店家具を扱うお店、そして自ら喫茶店をやるというところにまで発展しているのですから、人生なにがどうなるのかわかりません。

村田さんは喫茶店のマッチを行く先々でもらいながら、ちょっとずつ数が増えているとのことで、最後に、村田さんにちょっとしたプレゼントをお渡ししました。以前にこちらの記事で書いたのですが、骨董通りのノースウエストアンティークスさんで手に入れた西荻のお店のマッチ箱コレクションです。マッチコレクターの村田さんが持っていたほうが今後なにかしら活用してくださるのではと思った次第。

そんなわけで、楽しい夜の喫茶店めぐりはあっという間に終了。村田さん、ありがとうございました!

(2019年2月13日)

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