一欅庵にて「 ちょっと昔の西荻 」展 6/5-6

西荻の初夏の風物詩といえば、お茶めぐりでまちめぐりのイベント「チャサンポー 西荻茶散歩」ですが、2020年6月は中止、11月に再開するも、各店のお茶ふるまいによって生じるさまざまな接触が感染リスクを高めてしまうかも、ということからお茶抜きの「西荻散歩」になって、この6月もお茶抜きの「西荻散歩」で開催することに。

西荻案内所では毎年、松庵の登録文化財建築の古民家・一欅庵(いっきょあん)さんにお声がけをいただいて、展示企画をしています。

会場の一欅庵
一欅庵。昭和初期の洋館付き和風住宅です。

2017年は、このHPにもアーカイブしてある「西荻のメディアと場」。「メディア」や「場」を西荻で作っている人たち12組へのインタビューをパネル展示。

2018年は「ピンクの象が佐渡に来た」展。西荻窪駅南口のアーケードにぶらさがっていたピンクの象が、引き取られ、保管され、佐渡に渡って竹象になるまでのレポート展示。このあと『西荻にいたピンクの象』(在庫僅少)を自費出版することになります。

2019年はニシオギ空想計画実行委員会名義で「ニシオギ空想計画Vol.1」。道路拡幅に再開発の噂など、西荻の未来がどうなるのか不透明な情報が飛び交う中で、それぞれ思いのある人が想像力をはたらかせてカウンター案をつくっちゃおう、という公募企画で、座談会などもやりました。2020年から始まった「西荻のこと研究所」につながっていく企画です。

で、2020年はコロナで中止。2021年はそのときに元々やろうと思ってた企画をやります。

「 ちょっと昔の西荻 」展。

実は「ちょっと昔の西荻」というタイトルで企画をやるのは3度目です。最初は2013年、『西荻観光手帖』(ほぼ在庫なし)の編集作業をしていた頃、西荻の昔写真を掲載するために集めるにあたって、郷土史家から話をお聞きする会をしました。2度目は今年の1月ですが、「西荻のこと研究所」企画で、北銀座通りのクリーニング店・カラキヤさんのアルバムを拝見しながらお話を聞く会をしました(報告こちら)。これは商店会のコロナに負けない!マップをつくるときに写真をお借りしたのがきっかけで実現したもので、今後シリーズ化していく予定。

今回の一欅庵では、このようなさまざまな経緯で収集した西荻各地の「ちょっと昔」の写真を展示するほか、一欅庵所蔵の、うちわにてぬぐい、お皿など、当時の商店ご挨拶品、物価がわかる広告ちらしなどと、茶舗あすかさんが長年保管してきた映画館のパンフ(西荻東映・名画座)を展示します。

企画内容については、実はすでに先日配信された「西荻のこと研究所」のメールマガジン25号登録募集中!)に書いていますので、以下、まるまるコピペします。

中央線高架化前の西荻窪にあった踏切、北口の丸井、銀行の時計台、5つの映画館……などなど、時代を彩る数々のモノから見える商店街の活気。
かつてふだんの住民の買い物需要を一手に引き受けていたのが近所の商店街でした。ほんのご近所に出るだけでなんでも揃ったといいます。今はちょっとした買い物でもスーパーマーケットまで少し出かけねばなりません。高齢化が進む中で、またコロナ禍下において、いま一度かつてのコンパクトな街の姿をふりかえり、ただ懐かしがったり珍しがったりするだけでなく、時代とともに得たもの失ったものを見直し、これからの私達の街の暮らしに必要なものはなんなのか考えるきっかけの展示になればと思っています。

なお、一欅庵では同時にあと2つの展示企画が開催されます。そちらも注目。

1つ目は書籍『草木鳥鳥文様』(梨木香歩・文、ユカワアツコ・絵、長島有里枝・写真 福音館書店)に掲載されているユカワアツコさんの鳥の絵の展示です。一欅庵で撮影された作品が、撮影されたのと同じ場所に展示されるとのこと。古道具のひきだしに描かれた静謐な鳥の絵を、歴史ある古民家・一欅庵でじっくりとみるぜいたくな時間。西荻のこと研究所のメルマガ21号でこの本のことを取り上げました。あわせてお読みください。

もうひとつは、一欅庵で開催している落語会「古典廻し」さんによる「古典廻し周りのこと展」。落語会のときの楽屋の雰囲気を再現しつつ、過去のチラシや原画などを展示する予定とのこと。「古典廻し」主宰の斎藤さんは、ノンキ建築設計事務所として西荻でいくつかの店舗設計を手がけていて、実はニシオギ空想計画のメンバーでもあります。斎藤さんの空想計画「すわれタウンニシオギ」は、まちの隙間に憩いの場所を、というもので、メルマガ02号でも紹介しました。

一欅庵、落ち着いた時間の蓄積を感じる建物です。ふだんは一般開放していませんので、この機会にぜひ見学をしにいらしてください。

もちろん感染対策は万全に、少しでも体調に不安のある方はけっして無理をしないでくださいね。

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